〔会計不正調査報告書を読む〕
【第155回】
中部水産株式会社
「特別調査委員会調査報告書(2024年4月8日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【中部水産株式会社特別調査委員会の概要】
〔適時開示〕
〔特別調査委員会の構成〕
【委員長】
小川 薫(公認会計士、小川薫公認会計士事務所)
【委 員】
向井 小百合(弁護士、谷口法律事務所)
成瀬 玲(社外監査役、弁護士、弁護士法人しるべ総合法律事務所)
【調査補助者】
公認会計士:別所泰幸、鈴木恵、西原浩文、筒井敬士
弁護士:間瀬大輝
〔調査期間〕
2024年2月9日から4月7日まで
〔調査の目的・範囲〕
① A社及びB社と中部水産との間で発生した不適切取引の事実確認
② ①の不適切取引の財務上の影響評価と取るべき会計上の対応
③ ①の不適切取引と類似する事象の有無
④ ①及び③において検出された不適切事象の原因調査
⑤ 再発防止策
⑥ その他特別調査委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2024年4月8日
「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」 - 同年4月13日
「特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」 - 同年4月15日
「過年度の有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等に係る訂正に関するお知らせ」
【中部水産株式会社の概要】
中部水産株式会社(以下、「中部水産」と略称する)は、1946年2月設立。主要事業は、卸売市場法に基づく農林水産大臣許可の水産卸売業であり、ほかに冷蔵倉庫業及び不動産賃貸業を営んでいる。売上高35,930百万円、経常利益231百万円、資本金1,450百万円。従業員数87名(訂正前の2023年3月期実績)。本店所在地は愛知県名古屋市。名古屋証券取引所メイン市場上場。会計監査人は、太陽有限責任監査法人名古屋事務所(以下、「太陽監査法人」と略称する)。
【特別調査委員会による調査報告書の概要】
1 特別調査委員会設置の経緯
中部水産は、A社から仕入れた商品(水産物A)を継続的にB社に販売する取引を行っていたところ、2023年11月30日、B社に対する売掛金債権について約定弁済がなされなかったことをきっかけとして、A社が、中部水産に対して、一部取引について実在しない商品を販売するという架空取引を行っていたことが判明した。その後、水産物Aに関する一連の取引が、A社から中部水産、中部水産からB社、B社からA社へと販売される循環取引であったことも判明した。
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