〔会計不正調査報告書を読む〕
【第19回】
インスパイアー株式会社・
「第三者委員会調査報告書」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【概 要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2014(平成26)年6月9日
「第三者委員会の設置及び過年度有価証券報告書等の訂正のおそれ並びに平成26年3月期有価証券報告書提出遅延に関するお知らせ」 - 2014(平成26)年6月19日
「第三者委員会の委員選任及び平成26年3月期有価証券報告書提出遅延のおそれに関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
- 委員長:井上 愛朗(弁護士)
- 委 員:川端 健太(弁護士)
- 委 員:長谷川 修太郎(弁護士)
- 委 員:松山 昌司(公認会計士)
〔調査期間〕
2014(平成26)年6月19日から2014年(平成26)年7月15日まで
〔調査依頼者〕
インスパイアー株式会社
〔調査委員会の目的〕
(1) 平成22年3月期中に取得したカード事業に関連するソフトウェアについての事実関係の調査、発生原因及び問題点の分析
(2) 上記(1)の事実関係の調査結果に基づき、過年度の会計処理の訂正の要否、及び過年度の会計処理の訂正が必要となる場合、その範囲・影響額等の確認
(3) 上記(1)及び(2)について、問題があるとの結果となった場合の再発防止策に関する提言
〔適時開示〕
2014(平成26)年7月15日
「第三者委員会の調査報告に関するお知らせ」
【インスパイアー株式会社の概要】
インスパイアー株式会社(以下「インスパイアー」という)は、1991(平成3)年設立。旧社名は株式会社フォーバルクリエーティブ。創業以来取り扱ってきたITセキュリティ関連商品の販売及びサポートサービスの提供というビジネスモデルから、ITネットワーク機材の販売、クレジットカード関連事業及び太陽光発電システムの販売へと、取り扱う商品及び役務の転換を図っている(平成25年3月期有価証券報告書より)。売上高4,665万円、経常損失1億4,041万円、従業員数3名(平成25年3月期)。本店所在地は東京都中央区。JASDAQ上場。
【報告書のポイント】
1 調査に至った経緯と調査の焦点
(1) 第三者委員会設置の経緯
調査報告書によれば、インスパイアーは、オンライン決済を目的としたカード事業の事業化のためのシステム開発に関し、過去の決算において適切な会計処理が行われていなかった可能性を「外部から」指摘を受けたことを契機に、第三者委員会を設置して調査することになったとされている。ただし、「外部」の意味するところは、調査報告書では明らかにされていない。
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