〔会計不正調査報告書を読む〕
【第29回】
株式会社アイセイ薬局
「第三者委員会調査報告書(平成27年1月30日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2014(平成26)年11月28日
「第三者委員会の設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
委員長:那須 弘平(弁護士)
委 員:伊藤 尚(弁護士)
委 員:古田 十(公認会計士・税理士)
委 員:宇澤 亜弓(公認会計士・公認不正検査士)
〔調査期間〕
2014(平成26)年11月28日から2015(平成27)年1月29日まで
〔調査依頼者〕
株式会社アイセイ薬局
〔調査目的〕
(1) 疑義のある各会計処理に関する事実関係を調査し、会計処理の適正性・妥当性について検討を行うとともに、会計処理が適正性・妥当性を欠くと判断した場合には、その原因究明を行い、各事案についてアイセイ薬局がとるべき会計処理の検討を行う。
(2) 上記(1)を踏まえ、再発防止策の提言を行う。
(3) その他当委員会が必要と認めた調査対象事項の調査を行う。
〔適時開示〕
- 2015(平成27)年1月30日
「第三者調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
- 同年3月6日
「経営改善員会による再発防止策策定に関するお知らせ(最終報告)」
株式会社アイセイ薬局の概要
株式会社アイセイ薬局(以下「アイセイ薬局」と略称する)は、1984(昭和59)年9月創業。調剤薬局をチェーン展開する。2011(平成23)年12月JASDAQ株式上場。連結売上高48,788百万円、連結経常利益752百万円(数字はいずれも平成26年3月期)。従業員数1,727名。本店所在地、東京都千代田区。東京証券取引所JASDAQ上場。
調査報告書のポイント
1 調査に至った経緯――証券取引等監視委員会による開示検査
調査報告書冒頭に掲げられた「当委員会設置の経緯」によれば、アイセイ薬局は、証券取引等監視委員会開示検査課による金融商品取引法第26条に基づく開示検査を受け、過去の一部の工事請負契約、土地賃貸借契約及び不動産売買契約等に基づく取引(以下「本件疑義取引」という)につき、会計処理の適正性に関し疑義を呈された。
これを受けて、アイセイ薬局は、本件疑義取引に係る事実解明及び会計処理の適正性に係る事実解明を目的として、平成26年11月28日に取締役会を開催し、アイセイ薬局と利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される第三者委員会を設置することを決議した。
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