公開日: 2015/11/05 (掲載号:No.143)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第39回】株式会社SJI「社外委員会検証報告書(平成27年8月7日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第39回】

株式会社SJI

「社外委員会検証報告書(平成27年8月7日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

株式会社東芝の会計不正事件は、役員の責任をどう追及するかという局面を迎えているところであるが、昨年10月、元代表取締役による資金流用問題が表面化した株式会社SJIにおいては、社外委員会による役員の法的責任の認定、元取締役との間の和解が公表されている。

今回は、SJI第三者委員会による事実認定、東京証券取引所・証券取引等監視委員会の処分、SJI社外委員会による責任認定といった一連の流れを検証したい。

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔第三者委員会〕

委員長:根津 宏行(弁護士)
委 員:
早川 真崇(弁護士)
青島 信吾(公認会計士・税理士)

〔適時開示〕

〔社外委員会〕

委員長:宗像 紀夫(弁護士)
委 員:
堀内 捷三(弁護士)
根津 宏行(弁護士)

〔設置の趣旨〕

コンプライアンス分野に精通した外部専門家から構成される社外委員会を設置し、総合的かつ包括的なコンプライアンス充実・強化に向けた具体的方策について広範にご助言をいただき、具体的方策の実施状況についてご検証いただくとともに、再発防止に向けた李取締役を始めとする経営陣の取組状況を検証し、厳正なご意見をいただく予定です。(1月30日付リリースより引用)

〔適時開示〕

 

【株式会社SJIの概要】

株式会社SJI(以下「SJI」と略称する)は、1989(平成元)年7月創業の情報サービス事業会社。旧社名は株式会社サン・ジャパン。連結売上高30,340百万円、連結経常利益251百万円(数字はいずれも平成27年3月期)。従業員数1,444名。本店所在地、東京都品川区。JASDAQ上場。

 

【第三者委員会調査報告書のポイント】

1 元代表取締役による架空取引等

第三者委員会は、取引発生時に代表取締役社長であった李堅氏(第三者委員会設置と同じ日に代表取締役を辞任。以下「李氏」と略称する)が部下に指示して行った取引の中に、取引の実態を伴わない李氏個人に対する資金融通があると認定した。

また、李氏が、正式な社内手続・承認を得ることなく、債務保証を行い、あるいは融資を受けたことにより、簿外の債務保証・債務が存在していたことを認定した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第39回】

株式会社SJI

「社外委員会検証報告書(平成27年8月7日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

株式会社東芝の会計不正事件は、役員の責任をどう追及するかという局面を迎えているところであるが、昨年10月、元代表取締役による資金流用問題が表面化した株式会社SJIにおいては、社外委員会による役員の法的責任の認定、元取締役との間の和解が公表されている。

今回は、SJI第三者委員会による事実認定、東京証券取引所・証券取引等監視委員会の処分、SJI社外委員会による責任認定といった一連の流れを検証したい。

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔第三者委員会〕

委員長:根津 宏行(弁護士)
委 員:
早川 真崇(弁護士)
青島 信吾(公認会計士・税理士)

〔適時開示〕

〔社外委員会〕

委員長:宗像 紀夫(弁護士)
委 員:
堀内 捷三(弁護士)
根津 宏行(弁護士)

〔設置の趣旨〕

コンプライアンス分野に精通した外部専門家から構成される社外委員会を設置し、総合的かつ包括的なコンプライアンス充実・強化に向けた具体的方策について広範にご助言をいただき、具体的方策の実施状況についてご検証いただくとともに、再発防止に向けた李取締役を始めとする経営陣の取組状況を検証し、厳正なご意見をいただく予定です。(1月30日付リリースより引用)

〔適時開示〕

 

【株式会社SJIの概要】

株式会社SJI(以下「SJI」と略称する)は、1989(平成元)年7月創業の情報サービス事業会社。旧社名は株式会社サン・ジャパン。連結売上高30,340百万円、連結経常利益251百万円(数字はいずれも平成27年3月期)。従業員数1,444名。本店所在地、東京都品川区。JASDAQ上場。

 

【第三者委員会調査報告書のポイント】

1 元代表取締役による架空取引等

第三者委員会は、取引発生時に代表取締役社長であった李堅氏(第三者委員会設置と同じ日に代表取締役を辞任。以下「李氏」と略称する)が部下に指示して行った取引の中に、取引の実態を伴わない李氏個人に対する資金融通があると認定した。

また、李氏が、正式な社内手続・承認を得ることなく、債務保証を行い、あるいは融資を受けたことにより、簿外の債務保証・債務が存在していたことを認定した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

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