〔会計不正調査報告書を読む〕
【第65回】
藤倉化成株式会社
「特別調査委員会調査報告書(平成29年11月10日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2017(平成29)年8月9日
「貸倒引当金繰入額の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ」
〔特別調査委員会〕
【委員長】
下田 善三(藤倉化成株式会社常務取締役)
【委 員】
山本 達也(同 総務部長)
柴野 卓(同 監査室長)
津村 裕治(同 経理部経理課長)
田中 治(同 社外取締役・弁護士)
〔調査期間〕
2017(平成29)年7月19日(特別委員会第1回会合開催)から11月10日(調査報告書の提出日)まで
〔調査の目的〕
連結子会社である藤光樹脂株式会社において架空取引による多額の被害が発生した蓋然性が高いため、事実関係の把握、損害の有無の確認、原因の究明対策の立案を行うこと。
〔適時開示(調査結果)〕
- 2017(平成29)年11月10日
「藤光樹脂株式会社とATT株式会社の架空取引に関する調査報告書受領についてのお知らせ」
【藤倉化成株式会社の概要】
藤倉化成株式会社(以下「藤倉化成」と略称する)は、昭和13(1938)年設立、塗料、樹脂材料等の製造・販売を主要事業とする。売上高62,780百万円、経常利益3,348百万円、従業員数1,245名(数字はいずれも2017年3月期)。本店所在地は東京都板橋区。東京証券取引所1部上場。架空取引が発覚した藤倉化成の連結子会社である藤光樹脂株式会社(以下「藤光樹脂」と略称する)は、昭和39(1964)年設立。1973年9月、藤倉化成が筆頭株主となった。合成樹脂原料・加工品の販売を主たる事業とする。売上高23,049百万円(2016年3月期)。従業員49名。資本金4,000万円のうち、藤倉化成の出資比率は51%で、他に創業者で代表取締役会長の小川正雄氏が30.5%の株式を有している。本社所在地は東京都中央区。代表取締役社長の山増裕志氏は藤倉化成の出身であり、また、特別調査委員会委員長の下田善三氏が監査役を務めている。
【藤光樹脂株式会社とATT株式会社の架空取引に関する調査報告書の概要】
1 調査に至る経緯
6月22日、ATT株式会社(以下「ATT」と略称する)社長柴野恒雄氏から、ATTとの取引が循環取引であった旨告白する文書がメールで届いたことが、翌23日に、藤光樹脂から藤倉化成に伝達され、架空取引で多額の被害が発生した蓋然性が強いことから、藤倉化成は社内に特別調査委員会を設置し、調査を開始した。
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