〔会計不正調査報告書を読む〕
【第67回】
OSJBホールディングス株式会社
「社内調査委員会調査報告書(平成29年12月13日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【社内調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2017(平成29)年11月9日
「当社連結子会社従業員による不適切な取引の判明及び平成30年3月期第2四半期決算発表延期のお知らせ」
〔社内調査委員会〕
【委員長】
橋本 幸彦(取締役 内部統制 経営企画担当)
【委 員】
髙井 繁 (取締役 経理財務 総務 コンプライアンス担当)
住江 清 (社外取締役 独立役員)
久米 清忠(常勤監査役)
桃崎 有治(社外監査役 独立役員 公認会計士)
谷原 幸一(経理財務室長)
行松 俊樹(経営企画室長)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の西谷敦弁護士以下6名、PwCアドバイザリー合同会社佐々木健仁以下28名が、調査補助者として調査の補佐を行っている。
〔調査期間〕
2017(平成29)年10月12日から11月30日まで
〔調査の目的〕
(1) 国税局から指摘を受けた、以下の不正行為に係る事実関係の調査及び類似案件の有無の調査
① 協力会社に対し架空又は水増し発注を行い、その架空又は水増し発注額の一部又は全部をキックバックとして受け取る行為
② 協力会社である設計事務所に対し設計業務の架空発注を行い、その架空発注額等をプールさせて協力会社への支払いに充当する行為
③ 工事現場で発生したスクラップ等の売却代金・自動販売機の販売手数料の着服
④ PC工法の販売促進を目的とした営業代理等を行う会社に対する販売促進手数料を、当該会社又は同会社が指定する別会社に対し「施工図代」又は「設計外注費」名目で支払う行為
⑤ 工事原価の付け替え行為(ある工事に計上すべき原価又は費用を他の工事の原価として計上する行為)
(2) 上記不正行為が行われた原因及び背景の調査、並びに再発防止策の検討
〔適時開示(調査結果)〕
- 2017(平成29)年12月13日
「社内調査委員会の調査結果受領に関するお知らせ」
【OSJBホールディングス株式会社の概要】
OSJBホールディングス株式会社(以下「OSJB」と略称する)は、大正8(1919)年創立。傘下に、建設事業を営むオリエンタル白石株式会社及び株式会社タイコー技建、鋼構造物事業を営む日本橋梁株式会社の三事業会社を有する持株会社である。売上高51,314百万円、経常利益3,042百万円、従業員数848名(数字はいずれも平成29年3月期)。本店所在地は東京都江東区。東京証券取引所1部上場。今回、従業員による不正が発覚したオリエンタル白石株式会社(以下「ORSC」と略称する)は、2007年10月、オリエンタル建設株式会社と株式會社白石が合併して発足。2011年12月日本橋梁株式会社と経営統合して、現在に至る。土木構造物の設計、製造、施工及び建築構造物の製造、施工を主たる事業とする。
【調査報告書の概要】
1 調査に至る経緯
2017年8月に開始された東京国税局による税務調査の過程において、ORSCの事業所において、協力会社に対する架空又は水増し発注がなされた疑いがある等の指摘を受けたため、OSJBは、10月12日に社内調査委員会を設置し、国税局による指摘事項の事実解明のために調査に着手した。
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