〔会計不正調査報告書を読む〕
【第100回】
株式会社ジャパンディスプレイ
「第三者委員会調査報告書(2020年4月13日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2019年11月21日
「当社元従業員による不正行為についてのお知らせ」 - 同月27日
「当社元従業員からの通知に関するお知らせ」 - 同年12月24日
「第三者委員会設置のお知らせ」 - 同月26日
「第三者委員会の委員の選任等に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
国谷 史朗(弁護士)
【委 員】
荒張 健(公認会計士)
関口 智弘(弁護士)
他に、弁護士法人大江橋法律事務所(東京事務所)に所属する弁護士10人、EY新日本有限責任監査法人に所属する公認会計士7人、デジタル・フォレンジック担当者149人、EY中国の4人を補助者としている。
〔調査期間〕
2019年12月26日から2020年4月13日まで
〔調査目的〕
(1) 本件不正疑義に係る事実関係の調査
(2) JDIの事業開始時(2012年4月)から2019年9月までの間における本件不正疑義に類似する事象の有無の調査
(3) 不適切な会計処理が判明した場合、その影響額の算定
(4) 不適切な会計処理が判明した場合、その原因の究明及び再発防止策の提言
(5) その他、当委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
【株式会社ジャパンディスプレイの概要】
株式会社ジャパンディスプレイ(以下「JDI」と略称する)は、2002年10月に設立された株式会社日立ディスプレイズを起源として、2011年9月に設立された株式会社ジャパンディスプレイ統合準備会社の下で経営統合が進められた、日立ディスプレイズ、東芝モバイルディスプレイ、ソニーモバイルディスプレイなどを傘下に置いた旧株式会社ジャパンディスプレイと合併したうえで、社名を現在のジャパンディスプレイに変更している。中小型ディスプレイデバイス及び関連製品の開発、設計、製造及び販売を事業目的とする。2014年3月、東京証券取引所一部に上場。売上高636,661百万円、経常損失44,153百万円、従業員数10,005人(いずれも訂正前の2019年3月期連結実績)。資本金1,906億円。会計監査人は有限責任あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」と略称する)。
【調査報告書の概要】
JDIは、2019年11月26日、同社の元経理・管理統括部長A氏から、経営陣の指示により過年度の決算について不適切な会計処理を行っていた旨の通知を受けたため、A氏の主張する過年度決算における不適切な会計処理に関する疑義(以下「本件不正疑義」という)について、透明性の高い調査を徹底的かつ迅速に行うため、12月2日、特別調査委員会を設置することを取締役会において決議した。
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