〔会計不正調査報告書を読む〕
【第134回】
株式会社ソフィアホールディングス
「独立調査委員会答申書(開示版)(2022年8月12日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社ソフィアホールディングス独立調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2022年6月9日
「当社連結子会社役員の逮捕について」 - 同年6月17日
「独立調査委員会の設置及び第47期定時株主総会の継続会の開催方針のお知らせ」
〔独立調査委員会〕
【委員長】
水野 信次(弁護士、日比谷パーク法律事務所)
【委 員】
川崎 勝之(公認会計士・税理士、株式会社アクリア代表取締役)
小川 直樹(弁護士、日比谷パーク法律事務所)
【調査補助者】
- 株式会社アクリアに所属する公認会計士2名並びに日比谷パーク法律事務所に所属するパラリーガル1名及びゼネラルセクレタリー1名
- フォレンジック調査を行うフォレンジックベンダー
【事務局】
- SHD及びSDIの役職員3名
〔調査期間〕
2022年6月17日から同年8月12日まで
〔独立調査委員会への委嘱事項〕
(1) 本件被疑事件に関する事実関係の調査
(2) 本件被疑事件に類似する事象の有無の調査
(3) (1)(2)の調査結果に基づく過年度会計処理が会計ルールに違反するか否かについて取締役会への答申
(4) (3)の答申を前提とした過年度会計処理の修正の要否及びその範囲についての提言を内容とする取締役会への答申
(5) 本件被疑事件の原因の究明及び再発防止策の提言
〔調査結果〕
- 2022年8月15日
「独立調査委員会の答申書受領のお知らせ」
「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ」 - 同年10月26日
「再発防止策等に関するお知らせ」
【株式会社ソフィアホールディングスの概要】
株式会社ソフィアホールディングス(以下「SHD」と略称する)は、1975年8月設立(設立時の社名は株式会社ソフィアシステムズ。2007年4月、持株会社体制に移行して、現商号に変更。株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等を主たる事業とする。連結子会社では、インターネット関連事業、通信事業及び調剤薬局事業を主たる事業内容とする。売上高11,783百万円、経常利益889百万円、資本金2,358百万円。従業員数209名(2022年3月期連結実績)。株式会社E-BONDホールディングスが間接所有分を含めて、72.74%の議決権を有しており、同社取締役副社長の飯塚秀毅氏が、2020年6月、SHD代表取締役社長に就任している。本店所在地は神奈川県横浜市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。代表取締役社長及び取締役1名の計2名が逮捕された連結子会社であるソフィアデジタル株式会社(以下「SDI」と略称する)は、2010年2月設立。通信事業を行う中核事業会社の一社で、売上高3,600百万円、経常利益488百万円。取締役3名、従業員数は13名。本店所在地は東京都千代田区。
【独立調査委員会による答申書の概要】
1 独立調査委員会設置の経緯
2022年6月8日、SHDの連結子会社であるSDIの代表取締役社長であったf氏及び取締役であったg氏が、B社(答申書の内容から、アルテリア・ネットワークス株式会社であることが判明しているため、以下の表記は「アルテリア社」とする)の従業員であるb氏や複数の代理店の役職員ら等と共謀の上、C社(新聞報道などから、株式会社NTTドコモであることが判明しているが、本稿では、答申書の表記に従い、「C社」とする)から接続料金を騙取することを目的とする組織として、2021年3月頃、アルテリア社から仕入れたIP電話番号に対して所謂「機械呼」と呼ばれる方法(以下「本件方法」という)で機械的連続発信をすることによりC社をしてアルテリア社に対して接続料金を支払わせて接続料金を騙取したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑い(本件被疑事件)で警察に逮捕された。
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