公開日: 2022/11/17 (掲載号:No.495)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第134回】株式会社ソフィアホールディングス「独立調査委員会答申書(開示版)(2022年8月12日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第134回】

株式会社ソフィアホールディングス

「独立調査委員会答申書(開示版)(2022年8月12日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ソフィアホールディングス独立調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔独立調査委員会〕

【委員長】

水野 信次(弁護士、日比谷パーク法律事務所)

【委 員】

川崎 勝之(公認会計士・税理士、株式会社アクリア代表取締役)

小川 直樹(弁護士、日比谷パーク法律事務所)

【調査補助者】

  • 株式会社アクリアに所属する公認会計士2名並びに日比谷パーク法律事務所に所属するパラリーガル1名及びゼネラルセクレタリー1名
  • フォレンジック調査を行うフォレンジックベンダー

【事務局】

  • SHD及びSDIの役職員3名

〔調査期間〕

2022年6月17日から同年8月12日まで

〔独立調査委員会への委嘱事項〕

(1) 本件被疑事件に関する事実関係の調査

(2) 本件被疑事件に類似する事象の有無の調査

(3) (1)(2)の調査結果に基づく過年度会計処理が会計ルールに違反するか否かについて取締役会への答申

(4) (3)の答申を前提とした過年度会計処理の修正の要否及びその範囲についての提言を内容とする取締役会への答申

(5) 本件被疑事件の原因の究明及び再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【株式会社ソフィアホールディングスの概要】

株式会社ソフィアホールディングス(以下「SHD」と略称する)は、1975年8月設立(設立時の社名は株式会社ソフィアシステムズ。2007年4月、持株会社体制に移行して、現商号に変更。株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等を主たる事業とする。連結子会社では、インターネット関連事業、通信事業及び調剤薬局事業を主たる事業内容とする。売上高11,783百万円、経常利益889百万円、資本金2,358百万円。従業員数209名(2022年3月期連結実績)。株式会社E-BONDホールディングスが間接所有分を含めて、72.74%の議決権を有しており、同社取締役副社長の飯塚秀毅氏が、2020年6月、SHD代表取締役社長に就任している。本店所在地は神奈川県横浜市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。

代表取締役社長及び取締役1名の計2名が逮捕された連結子会社であるソフィアデジタル株式会社(以下「SDI」と略称する)は、2010年2月設立。通信事業を行う中核事業会社の一社で、売上高3,600百万円、経常利益488百万円。取締役3名、従業員数は13名。本店所在地は東京都千代田区。

 

【独立調査委員会による答申書の概要】

1 独立調査委員会設置の経緯

2022年6月8日、SHDの連結子会社であるSDIの代表取締役社長であったf氏及び取締役であったg氏が、B社(答申書の内容から、アルテリア・ネットワークス株式会社であることが判明しているため、以下の表記は「アルテリア社」とする)の従業員であるb氏や複数の代理店の役職員ら等と共謀の上、C社(新聞報道などから、株式会社NTTドコモであることが判明しているが、本稿では、答申書の表記に従い、「C社」とする)から接続料金を騙取することを目的とする組織として、2021年3月頃、アルテリア社から仕入れたIP電話番号に対して所謂「機械呼」と呼ばれる方法(以下「本件方法」という)で機械的連続発信をすることによりC社をしてアルテリア社に対して接続料金を支払わせて接続料金を騙取したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑い(本件被疑事件)で警察に逮捕された。

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【第134回】

株式会社ソフィアホールディングス

「独立調査委員会答申書(開示版)(2022年8月12日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ソフィアホールディングス独立調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔独立調査委員会〕

【委員長】

水野 信次(弁護士、日比谷パーク法律事務所)

【委 員】

川崎 勝之(公認会計士・税理士、株式会社アクリア代表取締役)

小川 直樹(弁護士、日比谷パーク法律事務所)

【調査補助者】

  • 株式会社アクリアに所属する公認会計士2名並びに日比谷パーク法律事務所に所属するパラリーガル1名及びゼネラルセクレタリー1名
  • フォレンジック調査を行うフォレンジックベンダー

【事務局】

  • SHD及びSDIの役職員3名

〔調査期間〕

2022年6月17日から同年8月12日まで

〔独立調査委員会への委嘱事項〕

(1) 本件被疑事件に関する事実関係の調査

(2) 本件被疑事件に類似する事象の有無の調査

(3) (1)(2)の調査結果に基づく過年度会計処理が会計ルールに違反するか否かについて取締役会への答申

(4) (3)の答申を前提とした過年度会計処理の修正の要否及びその範囲についての提言を内容とする取締役会への答申

(5) 本件被疑事件の原因の究明及び再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【株式会社ソフィアホールディングスの概要】

株式会社ソフィアホールディングス(以下「SHD」と略称する)は、1975年8月設立(設立時の社名は株式会社ソフィアシステムズ。2007年4月、持株会社体制に移行して、現商号に変更。株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等を主たる事業とする。連結子会社では、インターネット関連事業、通信事業及び調剤薬局事業を主たる事業内容とする。売上高11,783百万円、経常利益889百万円、資本金2,358百万円。従業員数209名(2022年3月期連結実績)。株式会社E-BONDホールディングスが間接所有分を含めて、72.74%の議決権を有しており、同社取締役副社長の飯塚秀毅氏が、2020年6月、SHD代表取締役社長に就任している。本店所在地は神奈川県横浜市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。

代表取締役社長及び取締役1名の計2名が逮捕された連結子会社であるソフィアデジタル株式会社(以下「SDI」と略称する)は、2010年2月設立。通信事業を行う中核事業会社の一社で、売上高3,600百万円、経常利益488百万円。取締役3名、従業員数は13名。本店所在地は東京都千代田区。

 

【独立調査委員会による答申書の概要】

1 独立調査委員会設置の経緯

2022年6月8日、SHDの連結子会社であるSDIの代表取締役社長であったf氏及び取締役であったg氏が、B社(答申書の内容から、アルテリア・ネットワークス株式会社であることが判明しているため、以下の表記は「アルテリア社」とする)の従業員であるb氏や複数の代理店の役職員ら等と共謀の上、C社(新聞報道などから、株式会社NTTドコモであることが判明しているが、本稿では、答申書の表記に従い、「C社」とする)から接続料金を騙取することを目的とする組織として、2021年3月頃、アルテリア社から仕入れたIP電話番号に対して所謂「機械呼」と呼ばれる方法(以下「本件方法」という)で機械的連続発信をすることによりC社をしてアルテリア社に対して接続料金を支払わせて接続料金を騙取したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑い(本件被疑事件)で警察に逮捕された。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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公認会計士 山岡信一郎 著

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弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

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