〔会計不正調査報告書を読む〕
【第158回】
ENECHANGE株式会社
「外部調査委員会調査報告書(2024年6月21日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【ENECHANGE株式会社外部調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2024年3月27日
「外部調査委員会の設置及び2023年12月期有価証券報告書の提出期限延長申請の検討に関するお知らせ」
〔調査委員会の構成〕
【委員長】
中島 祐輔(公認会計士、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社)
【委 員】
白井 真(弁護士、光和総合法律事務所)
矢田 悠(弁護士・公認不正検査士、ひふみ総合法律事務所)
大久保 和孝(公認会計士・公認不正検査士、株式会社大久保アソシエイツ)
【調査補助者】
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社
米国公認会計士・公認不正検査士清水和之、公認不正検査士岡田大輔
他公認会計士等14名
光和総合法律事務所
弁護士井上龍太郎、同渡辺大祐、同森大輝、同神ふみ子、同原田康平
ひふみ総合法律事務所
弁護士小島冬樹
八雲法律事務所
弁護士笠置泰平
〔調査期間〕
2024年3月27日から6月21日まで
〔調査委員会の目的(調査範囲)〕
- 本件会計処理の前提となる事実関係及び関連する事実関係の調査
- 本件会計処理の検討過程の検証
- 本件会計処理と類似する事案の存否及び事実関係の調査及び評価
- ENECHANGE株式会社における内部統制上の問題点の検証
- 改善案の策定
- その他、外部調査委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2024年6月21日
「外部調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」 - 同年7月9日
「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」
「営業外費用及び特別損失の計上に関するお知らせ」
【ENECHANGE株式会社の概要】
ENECHANGE株式会社(以下、「ENE社」と略称する)は、2015年4月設立。設立時の社名はエネチェンジ株式会社。2018年5月、現商号に変更。2013年6月、日本の電力自由化を契機とした規制緩和後の市場における事業開発及びスマートメーターデータの研究開発を目的に、イギリスで設立されたCambridge Energy Data Lab Limitedを前身とする。エネルギープラットフォーム事業、EV充電事業及びエネルギーデータ事業を主たる事業とする。売上高4,379百万円、経常損失2,404百万円、資本金47百万円。従業員数285名(2023年12月期実績)。本店所在地は東京都中央区。東京証券取引所グロース市場上場。会計監査人は、有限責任あずさ監査法人東京事務所(以下、「あずさ監査法人」と略称する)。
【外部調査委員会による調査報告書の概要】
1 外部調査委員会設置の経緯
ENE社は、EV充電事業において活用するSPCスキーム(以下「本スキーム」といい、本スキームで用いられるSPCを「本SPC」という)をENE社の連結の範囲に含めず非連結として取り扱うことを前提とした会計処理を継続して進めていたが、2024年2月19日、あずさ監査法人より、本スキームについての会計処理に疑義を呈する外部通報があった旨の共有を受けた。
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