公開日: 2015/06/18 (掲載号:No.124)
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〔会計不正調査報告書を読む〕【第32回】株式会社リソー教育「当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に係る意見書」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第31回】

株式会社リソー教育

「当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に係る意見書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会調査報告書受領後の経緯】

平成26年2月10日

「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」

同年2月14日

「代表取締役、役付役員及び子会社代表取締役の異動に関するお知らせ」

「過年度に係る有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度に係る決算短信等(訂正版)の公表について」

「第三者委員会の調査報告に基づく再発防止策について」

同年3月4日

「再発防止委員会の設置等に関するお知らせ」

同年3月7日

「証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告について」

同年3月10日

「特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求についてのお知らせ」

同年4月18日

「退会者の皆様に対する返金に関するお知らせ」

同年4月21日

「会計監査人の異動に関するお知らせ」

「金融庁による課徴金納付命令の決定について」

同年5月26日

「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」

平成27年3月20日

「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」

同年5月8日

当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に関するお知らせ

・意見書作成者

弁護士 関根修一、同 平出貴和、同 杉本賢太

・意見書作成者(セカンドオピニオン)

弁護士 須藤修、同 野口徹晴

 

株式会社リソー教育の概要

株式会社リソー教育(以下「リソー教育」という)は、1985(昭和60)年7月設立。TOMASという名称の学習塾を直営方式で経営している。売上高18,776百万円、経常利益978百万円、従業員数527名(平成27年2月期)。本店所在地は東京都豊島区。東証1部上場。

今回損害賠償請求の対象となったのは、リソー教育の元取締役2名と、リソー教育の連結子会社、株式会社名門会(以下「名門会」という)の元社長である。名門会は家庭教師派遣事業を営み、売上高4,770百万円、経常利益59百万円を上げている。

 

元取締役等に対する損害賠償請求

第三者委員会から調査報告書を受領したリソー教育は、そのわずか4日後、会計不正に主体的な役割を果たしていたとされた2名の取締役及び1名の子会社取締役の辞任を発表した(詳しくは本連載【第15回】を参照されたい)。

すなわち、当時、リソー教育代表取締役社長であった伊東誠氏(第三者委員会報告書ではC専務。以下本稿では、「伊東元社長」という)及び常務取締役であった赤尾光治氏(第三者委員会報告書ではD常務。以下本稿では、「赤尾元常務」という)並びに名門会代表取締役社長であった大森喜良氏(第三者委員会報告書では甲社長。以下本稿では、「大森名門会元社長」という)の3名が、取締役についても辞任したうえで、当時の岩佐実次代表取締役会長(第三者委員会報告書ではA会長。以下本稿では「岩佐会長」という)が代表取締役社長を兼務するというものであった。

今回公表されたリリースでは、この3名を相手方として、平成27年5月8日付で、東京地方裁判所に対して損害賠償請求訴訟の提起を行い、請求金額は各相手方に対してそれぞれ3億円とすることが公表され、同時に、本件訴訟においてリソー教育側の代理人となる弁護士の意見書が添附されている。

本稿では、リソー教育が元取締役等の責任をどのように追及し、本件訴訟の提起に至ったのかを検証したい。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第31回】

株式会社リソー教育

「当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に係る意見書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会調査報告書受領後の経緯】

平成26年2月10日

「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」

同年2月14日

「代表取締役、役付役員及び子会社代表取締役の異動に関するお知らせ」

「過年度に係る有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度に係る決算短信等(訂正版)の公表について」

「第三者委員会の調査報告に基づく再発防止策について」

同年3月4日

「再発防止委員会の設置等に関するお知らせ」

同年3月7日

「証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告について」

同年3月10日

「特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求についてのお知らせ」

同年4月18日

「退会者の皆様に対する返金に関するお知らせ」

同年4月21日

「会計監査人の異動に関するお知らせ」

「金融庁による課徴金納付命令の決定について」

同年5月26日

「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」

平成27年3月20日

「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」

同年5月8日

当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に関するお知らせ

・意見書作成者

弁護士 関根修一、同 平出貴和、同 杉本賢太

・意見書作成者(セカンドオピニオン)

弁護士 須藤修、同 野口徹晴

 

株式会社リソー教育の概要

株式会社リソー教育(以下「リソー教育」という)は、1985(昭和60)年7月設立。TOMASという名称の学習塾を直営方式で経営している。売上高18,776百万円、経常利益978百万円、従業員数527名(平成27年2月期)。本店所在地は東京都豊島区。東証1部上場。

今回損害賠償請求の対象となったのは、リソー教育の元取締役2名と、リソー教育の連結子会社、株式会社名門会(以下「名門会」という)の元社長である。名門会は家庭教師派遣事業を営み、売上高4,770百万円、経常利益59百万円を上げている。

 

元取締役等に対する損害賠償請求

第三者委員会から調査報告書を受領したリソー教育は、そのわずか4日後、会計不正に主体的な役割を果たしていたとされた2名の取締役及び1名の子会社取締役の辞任を発表した(詳しくは本連載【第15回】を参照されたい)。

すなわち、当時、リソー教育代表取締役社長であった伊東誠氏(第三者委員会報告書ではC専務。以下本稿では、「伊東元社長」という)及び常務取締役であった赤尾光治氏(第三者委員会報告書ではD常務。以下本稿では、「赤尾元常務」という)並びに名門会代表取締役社長であった大森喜良氏(第三者委員会報告書では甲社長。以下本稿では、「大森名門会元社長」という)の3名が、取締役についても辞任したうえで、当時の岩佐実次代表取締役会長(第三者委員会報告書ではA会長。以下本稿では「岩佐会長」という)が代表取締役社長を兼務するというものであった。

今回公表されたリリースでは、この3名を相手方として、平成27年5月8日付で、東京地方裁判所に対して損害賠償請求訴訟の提起を行い、請求金額は各相手方に対してそれぞれ3億円とすることが公表され、同時に、本件訴訟においてリソー教育側の代理人となる弁護士の意見書が添附されている。

本稿では、リソー教育が元取締役等の責任をどのように追及し、本件訴訟の提起に至ったのかを検証したい。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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