〔会計不正調査報告書を読む〕
【第154回】
株式会社ビケンテクノ
「株式会社ビケンテクノにおける管理組合財産の着服に関する調査報告書(2024年2月14日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社ビケンテクノ調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2023年11月21日
「当社元社員によるマンション管理組合財産着服疑念の発生について」 - 同年12月1日
「当社元社員によるマンション管理組合財産着服疑念の現段階での調査状況および専門家も含めた調査委員会の設置に関するお知らせ」
〔調査委員会の構成〕
【委員長】
村中 徹(弁護士、弁護士法人第一法律事務所)
【委 員】
藤田 大介(公認会計士、株式会社KPMG FAS)
平井 優祐(弁護士・公認会計士、弁護士法人第一法律事務所)
調査委員会は、16名(外部の弁護士1名及び公認会計士4名を含む)を調査補助者としている。
〔調査期間〕
2023年12月6日から2024年2月14日まで
〔調査委員会による調査の目的〕
- 本件不正行為に関する事実関係の調査(類似事象の存否を含む)
- 本件不正行為が生じた原因の分析と再発防止策の立案
- その他、調査委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2024年2月14日
「専門家による調査委員会の調査報告及び当社の対応に関するお知らせ」 - 同年3月1日
「当社元社員によるマンション管理組合財産着服事案に対する再発防止策に関するお知らせ」
【株式会社ビケンテクノの概要】
株式会社ビケンテクノ(以下、「ビケンテクノ」と略称する)は、1963年5月設立。設立時の社名は、株式会社ビケン。1993年7月、現商号に変更。ビルメンテナンス、不動産、介護、フランチャイズ及びホテルという5つの事業セグメントを有しているが、売上高の80%以上はビルメンテンス事業に係るものである。国内連結子会社10社、海外連結子会社3社及び持分法適用関連会社1社を有している。売上高34,690百万円、経常利益2,488百万円、資本金1,808百万円。従業員数2,573名(2023年3月期連結実績)。本店所在地は大阪府吹田市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は、EY新日本有限責任監査法人大阪事務所(以下、「EY新日本監査法人」と略称する)。
【調査委員会による調査報告書の概要】
1 調査委員会設置の経緯
ビケンテクノは、2023年11月16日、大阪支店住宅管理部マンション管理課の課長であり、マンション管理業務を統括していた従業員X氏による、同社管理物件におけるマンション管理費等の着服疑惑が浮上したことから、X氏の担当業務について調査を実施した結果、X氏の担当するマンション管理組合の通帳残高と管理組合の決算報告書の残高に不一致のあること(以下、X氏の不正行為を総称して、「本件不正行為」という)を確認した。
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