〔会計不正調査報告書を読む〕
【第171回】
株式会社エイチ・アイ・エス
「特別調査委員会調査報告書(2025年3月21日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社エイチ・アイ・エス特別調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2024年11月25日「当社連結子会社における雇用調整助成金の受給に関する調査及び2024年10月期決算発表延期のお知らせ」
- 2024年12月13日「当社グループにおける雇用調整助成金の受給に関する調査について(続報)」
- 2025年1月27日「当社連結子会社における雇用調整助成金の不正受給について(続報)」
- 2025年1月27日「当社における雇用調整助成金等の受給に関する自主返還のお知らせ」
〔特別調査委員会の構成〕
【委員長】
安藤 紘人(弁護士、アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業)
【委 員】
藤田 大介(公認会計士、株式会社KPMG FAS)
金子 寛人(公認会計士、HIS独立社外取締役監査等委員)
【調査補助者】
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業(弁護士27名)
大槻健介、池田彩穂里、髙田将寛、清水愛衣加、髙橋将希、原口夕梨花、餅原波音、齋藤凌、田中奈央、平松佳樹、北田拓生、大宮葵陽、中野健登、德永大誠、酒寄里彩、山脇沙弥、久冨駿介、高橋慶伍、高田歩、小原久嗣、山口雅彦、伊藤公洋、長谷川達、高野聖也、大島考雄、川崎惠、渡邊俊行
株式会社KPMG FAS(29名)
水上浩、奥成一平、伊藤希珠、李予桐、川辺雄二、比佐若葉、福嶋徹夫、神永朝紀、大川秋晴、森下祥行、Yang Sichang、長澤紘汰 他17名
〔調査期間〕
2024年12月13日から2025年3月21日まで
〔第三者委員会の目的〕
調査対象会社における、以下の(1)から(3)に掲げる事項
(1) 雇用調整助成金等の不正・不適正受給の有無に関する調査
(2) 原因分析
(3) 再発防止策の提言
〈調査対象とする会社〉
① ナンバーワン
② HIS
③ ナンバーワンを除くHISグループ子会社(子会社であった社を含む)27社
〔調査結果〕
- 2025年3月21日
「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」 - 2025年3月31日
「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」
【株式会社エイチ・アイ・エスの概要】
株式会社エイチ・アイ・エス(以下「HIS」と略称する)は、1980(昭和55)年12月19日設立。設立時の社名は株式会社インターナショナルツアー。1990(平成2)年、現社名に変更。旅行事業を中心に、ホテル事業、地方創生事業、保険事業などの旅行関連事業を主たる事業とする。国内外に子会社170社、関連会社16社を有する。売上高251,866百万円、経常利益1,466百万円、資本金100百万円。従業員数は10,131名(いずれも訂正前の2023年10月期連結実績)。本店所在地は東京都港区。
会計監査人は、有限責任監査法人トーマツ東京事務所(以下「監査法人トーマツ」と略称する)。東京証券取引所プライム市場上場。
最初に雇用調整助成金の不正受給の疑いが発覚した株式会社ナンバーワントラベル渋谷(以下「ナンバーワン」と略称する)は、1990(平成2)年9月18日、HISによって設立。旅行事業を営み、資本金10百万円、従業員数8名、本店所在地は東京都大田区。
【特別調査委員会による調査報告書の概要】
1 雇用調整助成金と不正受給・不適正受給
特別調査委員会の定義は次のとおりである。
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