公開日: 2026/03/12 (掲載号:No.660)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第182回】株式会社サンウェルズ「外部弁護士からの調査報告書(2026年3月6日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第182回】

株式会社サンウェルズ

「外部弁護士からの調査報告書(2026年3月6日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社サンウェルズ外部弁護士による調査の概要】

【適時開示】

【調査を委嘱された弁護士】

弁護士:川畑 大(桜大橋法律事務所)

弁護士:宇田川敦史(桜大橋法律事務所)

弁護士:江藤里恵(桜大橋法律事務所)

【事務局】

リスク・コンプライアンス部の従業員らを事務局とし、資料等の収集・分析、デジタルフォレンジックの対象となるデータの保全、データの整理、インタビューの日程調整その他の事務を行わせた。

〔調査期間〕

2026年1月16日から2月25日まで

〔調査目的〕

(1) サンウェルズが2022年3月17日付けで取引所に提出した回答書(本件回答書1)の記載内容、同じくサンウェルズが2022年3月31日付けで取引所に提出した回答書(本件回答書2)の記載内容及び回答に至る経緯を客観的に整理・検証し、事実と齟齬する内容が含まれているか

(2) 回答内容が事実と齟齬することが判明した場合、その正確な内容

(3) 回答内容に事実と齟齬が生じた場合、齟齬が生じたことの原因分析及び再発防止策の再度の精査・検討、会計処理に関する疑義についての客観的な事実関係の調査

〔調査結果〕

 

【株式会社サンウェルズの概要】

株式会社サンウェルズ(報告書上は「当社」、以下、「サンウェルズ」と略称する)は、代表取締役社長の苗代亮達氏(以下、「社長」と略称する)が、2006年9月に設立。当初は石川県内を中心にデイサービスやグループホームを展開していたが、2018年よりパーキンソン病(PD)専門フロアを開設し、現在は中核事業であるパーキンソン病専門ホーム(PDハウス)を全国に40施設以上展開している。 売上高26,496百万円、経常利益388百万円、資本金35百万円、税引前当期純損失△316百万円。従業員数3,302人。社長とその資産管理会社が発行済み株式の53.66%を所有している(いずれも2025年3月期実績)。本店所在地は石川県金沢市。2022年6月、東京証券取引所グロース市場に上場し、2024年7月にはプライム市場へ区分変更。会計監査人は、有限責任監査法人トーマツ北陸事務所。

〈事案の経緯〉

2024年9月3日 前日、共同通信社が配信した記事において運営する施設で過剰訪問看護及び保険の不正請求が存在すると報じられたことを、サンウェルズ側は、そのような事実は一切ないと否定するリリース(※1)を公表
2024年9月20日 共同通信社の報道に関する調査のため、特別調査委員会を設置(※2)
2025年2月7日 調査報告書を受領し、公表(※3)
2025年2月12日 過年度有価証券報告書等の訂正(※4)
2025年5月1日 宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り及び上場契約違約金の徴求(※5)
2025年12月1日 運転代行サービスの利用経費等に関する調査の実施及び外部弁護士からの調査報告書の受領(※6)

(※1) 「共同通信社における記事について

(※2) 「特別長委員会の設置に関するお知らせ

(※3) 「特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ

(※4) 「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ

(※5) 「宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り及び上場契約違約金の徴求に関するお知らせ

(※6) 「運転代行サービスの利用経費等に関する調査の実施及び外部弁護士からの調査報告書の受領並びに再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ

 

【調査報告書の概要】

1 外部弁護士に調査を委嘱した経緯

サンウェルズは、契約していた運転代行会社のサービスについて、社長が私的目的で利用していたこと等の疑いに関する調査(以下、「前回調査」という)を外部の弁護士を起用して行ったところ、この調査の過程において、社長が東京の社有車も業務に使用していることが判明した。このような調査の結果を受け、外部機関から、上場申請時に日本取引所自主規制法人(以下、「取引所」という)に提出した「役員に割り当てられた社有車が金沢に所在の社有車1台である」という趣旨の回答内容と齟齬が生じるのではないかとの疑義を指摘されたことから、監査等委員会は、2026年1月、独立した立場の外部弁護士に依頼して、疑義について調査を行うこととした。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第182回】

株式会社サンウェルズ

「外部弁護士からの調査報告書(2026年3月6日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社サンウェルズ外部弁護士による調査の概要】

【適時開示】

【調査を委嘱された弁護士】

弁護士:川畑 大(桜大橋法律事務所)

弁護士:宇田川敦史(桜大橋法律事務所)

弁護士:江藤里恵(桜大橋法律事務所)

【事務局】

リスク・コンプライアンス部の従業員らを事務局とし、資料等の収集・分析、デジタルフォレンジックの対象となるデータの保全、データの整理、インタビューの日程調整その他の事務を行わせた。

〔調査期間〕

2026年1月16日から2月25日まで

〔調査目的〕

(1) サンウェルズが2022年3月17日付けで取引所に提出した回答書(本件回答書1)の記載内容、同じくサンウェルズが2022年3月31日付けで取引所に提出した回答書(本件回答書2)の記載内容及び回答に至る経緯を客観的に整理・検証し、事実と齟齬する内容が含まれているか

(2) 回答内容が事実と齟齬することが判明した場合、その正確な内容

(3) 回答内容に事実と齟齬が生じた場合、齟齬が生じたことの原因分析及び再発防止策の再度の精査・検討、会計処理に関する疑義についての客観的な事実関係の調査

〔調査結果〕

 

【株式会社サンウェルズの概要】

株式会社サンウェルズ(報告書上は「当社」、以下、「サンウェルズ」と略称する)は、代表取締役社長の苗代亮達氏(以下、「社長」と略称する)が、2006年9月に設立。当初は石川県内を中心にデイサービスやグループホームを展開していたが、2018年よりパーキンソン病(PD)専門フロアを開設し、現在は中核事業であるパーキンソン病専門ホーム(PDハウス)を全国に40施設以上展開している。 売上高26,496百万円、経常利益388百万円、資本金35百万円、税引前当期純損失△316百万円。従業員数3,302人。社長とその資産管理会社が発行済み株式の53.66%を所有している(いずれも2025年3月期実績)。本店所在地は石川県金沢市。2022年6月、東京証券取引所グロース市場に上場し、2024年7月にはプライム市場へ区分変更。会計監査人は、有限責任監査法人トーマツ北陸事務所。

〈事案の経緯〉

2024年9月3日 前日、共同通信社が配信した記事において運営する施設で過剰訪問看護及び保険の不正請求が存在すると報じられたことを、サンウェルズ側は、そのような事実は一切ないと否定するリリース(※1)を公表
2024年9月20日 共同通信社の報道に関する調査のため、特別調査委員会を設置(※2)
2025年2月7日 調査報告書を受領し、公表(※3)
2025年2月12日 過年度有価証券報告書等の訂正(※4)
2025年5月1日 宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り及び上場契約違約金の徴求(※5)
2025年12月1日 運転代行サービスの利用経費等に関する調査の実施及び外部弁護士からの調査報告書の受領(※6)

(※1) 「共同通信社における記事について

(※2) 「特別長委員会の設置に関するお知らせ

(※3) 「特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ

(※4) 「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ

(※5) 「宣誓書違反による再審査に係る猶予期間入り及び上場契約違約金の徴求に関するお知らせ

(※6) 「運転代行サービスの利用経費等に関する調査の実施及び外部弁護士からの調査報告書の受領並びに再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ

 

【調査報告書の概要】

1 外部弁護士に調査を委嘱した経緯

サンウェルズは、契約していた運転代行会社のサービスについて、社長が私的目的で利用していたこと等の疑いに関する調査(以下、「前回調査」という)を外部の弁護士を起用して行ったところ、この調査の過程において、社長が東京の社有車も業務に使用していることが判明した。このような調査の結果を受け、外部機関から、上場申請時に日本取引所自主規制法人(以下、「取引所」という)に提出した「役員に割り当てられた社有車が金沢に所在の社有車1台である」という趣旨の回答内容と齟齬が生じるのではないかとの疑義を指摘されたことから、監査等委員会は、2026年1月、独立した立場の外部弁護士に依頼して、疑義について調査を行うこととした。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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株式会社 エス・ピー・ネットワーク 著 中野 真 監修

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公認会計士 山岡信一郎 著

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法務コンプライアンス実践ガイド

弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

架空循環取引

公認会計士 霞 晴久、 弁護士・公認不正検査士 中西 和幸、 税理士・公認不正検査士 米澤 勝 著

不正会計リスクにどう立ち向かうか!

公認会計士・公認不正検査士 宇澤亜弓 著
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