公開日: 2014/10/16 (掲載号:No.90)
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〔会計不正調査報告書を読む〕【第20回】株式会社タカラトミー・「連結子会社における不適切な会計処理に関する調査報告書」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第20回】

株式会社タカラトミー・

「連結子会社における不適切な会計処理に関する調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年7月24日
    「不適切な会計処理の判明、及び社内調査委員会による調査開始についてのお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:宮城 覚映(タカラトミー社外取締役)
  • 委 員:梅田 常和(タカラトミー社外監査役、公認会計士)
  • 委 員:吉成 外史(タカラトミー社外監査役、弁護士)
  • 委 員:新川 麻(西村あさひ法律事務所、弁護士)
  • 委 員:平尾 覚(同)
  • 委 員:上島 正道(同)
  • 委 員:高山 陽太郎(同)
  • 委 員:柴田 英典(同)
  • 調査補助者:松藤 斉(デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー株式会社、公認会計士)
  • 調査補助者:曽我 勝一(同)

〔調査期間〕

2014(平成26)年6月25日から2014年(平成26)年8月8日まで

〔調査依頼者〕

株式会社タカラトミー

〔調査委員会の目的〕

株式会社タカラトミーの子会社である株式会社タカラトミーエンタメディアにおける

(1) A社が関与した取引に係る不適切な会計処理等の有無の把握・分析

(2) 両社における、本件取引に関連した内部統制上の問題点の有無の検討

(3) 再発防止策の提言

〔適時開示〕

2014(平成26)年8月8日
「当社連結子会社における不適切な会計処理に関する報告」
「訂正有価証券報告書の提出および過年度決算短信等の訂正に関するお知らせ」

 

【株式会社タカラトミーの概要】

株式会社タカラトミー(以下「タカラトミー」という)は、1953(昭和28)年設立。2006(平成18)年3月、株式会社タカラと合併、現社名となる。玩具・雑貨・カードゲーム・乳幼児関連商品等の企画、製造及び販売を主な事業内容とする。連結売上高155,968百万円、経常利益3,372百万円、従業員数2,056名(平成26年3月期)。本店所在地は東京都葛飾区。東京証券取引所1部上場。

連結子会社である株式会社タカラトミーエンタメディア(以下「T2E」という)は資本金約357百万円、タカラトミーの持ち株比率は95%。コンテンツ企画・制作、通信コンテンツ企画・配信、広告・メディア事業を行っている。売上高2,499百万円、経常利益41百万円。

不適切な会計処理が判明したT2Eアドコミュニケーション部の売上高は1,825百万円(いずれも平成26年3月期)。

 

【T2Eの沿革】

  • 2002年2月
    設立。設立時の社名はタカラモバイルエンタテインメント株式会社。
  • 2005年9月
    合併前の株式会社タカラと株式会社トミーが、株式会社インデックス(以下「インデックス」という)との間で「戦略事業会社」として同社を位置付け、株式会社ティーツーアイエンターテイメントに商号を変更。
  • 2009年10月
    現社名に変更。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯

(1) 社内調査委員会設置の経緯

調査報告書によれば、平成26年6月25日、T2Eは、取引先であるA社代理人から、同月23日付の内容証明郵便を受け取り、A社がT2Eとの間でいわゆる架空循環取引を行っていた旨の通知を受けた。
これを受けて、タカラトミーは事実関係の調査を行うため、社内調査委員会による調査が行われることとなった。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第20回】

株式会社タカラトミー・

「連結子会社における不適切な会計処理に関する調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年7月24日
    「不適切な会計処理の判明、及び社内調査委員会による調査開始についてのお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:宮城 覚映(タカラトミー社外取締役)
  • 委 員:梅田 常和(タカラトミー社外監査役、公認会計士)
  • 委 員:吉成 外史(タカラトミー社外監査役、弁護士)
  • 委 員:新川 麻(西村あさひ法律事務所、弁護士)
  • 委 員:平尾 覚(同)
  • 委 員:上島 正道(同)
  • 委 員:高山 陽太郎(同)
  • 委 員:柴田 英典(同)
  • 調査補助者:松藤 斉(デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー株式会社、公認会計士)
  • 調査補助者:曽我 勝一(同)

〔調査期間〕

2014(平成26)年6月25日から2014年(平成26)年8月8日まで

〔調査依頼者〕

株式会社タカラトミー

〔調査委員会の目的〕

株式会社タカラトミーの子会社である株式会社タカラトミーエンタメディアにおける

(1) A社が関与した取引に係る不適切な会計処理等の有無の把握・分析

(2) 両社における、本件取引に関連した内部統制上の問題点の有無の検討

(3) 再発防止策の提言

〔適時開示〕

2014(平成26)年8月8日
「当社連結子会社における不適切な会計処理に関する報告」
「訂正有価証券報告書の提出および過年度決算短信等の訂正に関するお知らせ」

 

【株式会社タカラトミーの概要】

株式会社タカラトミー(以下「タカラトミー」という)は、1953(昭和28)年設立。2006(平成18)年3月、株式会社タカラと合併、現社名となる。玩具・雑貨・カードゲーム・乳幼児関連商品等の企画、製造及び販売を主な事業内容とする。連結売上高155,968百万円、経常利益3,372百万円、従業員数2,056名(平成26年3月期)。本店所在地は東京都葛飾区。東京証券取引所1部上場。

連結子会社である株式会社タカラトミーエンタメディア(以下「T2E」という)は資本金約357百万円、タカラトミーの持ち株比率は95%。コンテンツ企画・制作、通信コンテンツ企画・配信、広告・メディア事業を行っている。売上高2,499百万円、経常利益41百万円。

不適切な会計処理が判明したT2Eアドコミュニケーション部の売上高は1,825百万円(いずれも平成26年3月期)。

 

【T2Eの沿革】

  • 2002年2月
    設立。設立時の社名はタカラモバイルエンタテインメント株式会社。
  • 2005年9月
    合併前の株式会社タカラと株式会社トミーが、株式会社インデックス(以下「インデックス」という)との間で「戦略事業会社」として同社を位置付け、株式会社ティーツーアイエンターテイメントに商号を変更。
  • 2009年10月
    現社名に変更。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯

(1) 社内調査委員会設置の経緯

調査報告書によれば、平成26年6月25日、T2Eは、取引先であるA社代理人から、同月23日付の内容証明郵便を受け取り、A社がT2Eとの間でいわゆる架空循環取引を行っていた旨の通知を受けた。
これを受けて、タカラトミーは事実関係の調査を行うため、社内調査委員会による調査が行われることとなった。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

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