〔会計不正調査報告書を読む〕
【第23回】
ジャパンベストレスキューシステム株式会社・
「第2次第三者委員会調査報告書(平成26年7月28日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
前回に引き続き、10月29日リリースにおいて本年3度目の第三者委員会設置を公表したジャパンベストレスキューシステム株式会社における調査報告書について、今回は第2回目の調査結果を検証したい。
【ジャパンベストレスキューシステム株式会社の概要(再掲)】
ジャパンベストレスキューシステム株式会社(以下「JBR」という)は、1997(平成9)年創業。創業時の社名は、日本二輪車ロードサービス株式会社。その後、平成11年8月に現社名に変更。
JBRホームページには、以下のような事業目的が記載されている。
24時間365日対応の総合生活トラブル解決サービス「生活救急車」を全国展開し、ガラス・水まわり・カギ・パソコンのトラブル解決サービスなど様々なお困りごとに対応。
連結売上高10,405百万円、連結経常利益141百万円(数字はいずれも平成25年9月期)。従業員数196名。本店所在地、愛知県名古屋市。東証1部、名証1部上場。
【2014(平成26)年5月以降の適時開示】
【概 要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2014(平成26)年6月14日
「第三者委員会の再設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
- 委員長:玄 君先(弁護士)
- 委 員:飛田 博(弁護士)
- 委 員:安田 幸一(公認会計士)
〔調査期間〕
2014(平成26)年6月14日から7月25日まで
〔調査依頼者〕
ジャパンベストレスキューシステム株式会社
〔調査委員会の目的〕
株式会社バイノスの売上計上に関係する電子メール調査の範囲を広げた上で、追加の調査を実施し、また、日本電源技術社株式会社に対する出資及び貸付に関する疑念点についても、調査と評価を行う予定です。
〔適時開示〕
- 2014(平成26)年7月28日
「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
第2次調査委員会による報告書のポイント
1 第三者委員会の再設置に至った経緯
平成26年5月2日に設置された調査委員会(以下「第1次調査委員会」という)で調査の対象となった株式会社バイノス(以下「バイノス」という)における不適正な売上計上については、調査報告書受領後の6月13日に公表されたJBRの2014年9月期第2四半期報告書には、追加情報として以下の記載がある。
しかしながら、限定された範囲での関与者の特定では構築すべきガバナンスとして、その脆弱性に関する疑念が完全には払拭できないことから、会計監査人はその一部に疑義を提示しております。
これに加えて、会計監査人である有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」という)は、平成26年9月期第2四半期において出資し、関連会社としている日本電源技術社株式会社(以下「NDG」という)の出資に関する減損処理及びNDG向け貸付金に対する貸倒引当金計上などの一連の取引に関する経済合理性についての疑義を指摘しており、再設置された第三者委員会(以下「第2次調査委員会」という)により、調査と評価を行うこととなった。
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