〔会計不正調査報告書を読む〕
【第43回】
ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社
「独立調査委員会報告書(平成27年11月6日、12月8日及び18日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【独立調査委員会の概要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2015(平成27)年11月6日
「平成27年9月期決算短信の開示時期の延期並びにこれに係る経緯として当社代表取締役会長への便宜供与に係る疑義に対する独立調査委員会の調査及び当該調査の結果を踏まえたガバナンス体制の検討等に関するお知らせ」
〔社内調査委員会〕
委員長:相澤 光江(弁護士)
副委員長:増田 健一(弁護士・1次及び2次調査参加)
副委員長:田淵 正信(公認会計士・2次調査のみ参加)
委 員:
相澤 豪(弁護士)
谷津 朋美(弁護士)
米田 紀子(弁護士・1次及び2次調査参加)
塚本 英巨(弁護士・1次及び2次調査参加)
河江 健史(公認会計士・2次調査のみ参加)
〔調査期間〕
2015(平成27)年8月17日(第1次調査開始日)から12月17日(第3次調査終了日)まで
〔調査目的〕
【第1次調査】
会計監査人から指摘された疑義について、(1)事実関係及びその経緯・動機の把握、(2)代表取締役会長の会社法違反の有無に関する法的評価、(3)内部統制システムの評価を行うとともに、問題が存在した場合には原因分析と再発防止策を提言すること。
【第2次調査】
第1次調査の対象となった事項に類似した案件の存在を網羅的に調査し、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。
【第3次調査】
子会社である盛田株式会社の拡売費の見積りが過少であった件に関する事実関係、経営者に関与の有無及び度合いに関する事実認定を行い、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。
(注) 拡売費とは、自社製品の販売促進を目的に、小売店が行うセールや特売時の原資として、通常販売価格からの値下げ分をメーカーが卸問屋や小売店に補填するための費用をいう。
〔適時開示〕
- 2015(平成27)年12月8日
「独立調査委員会の追加調査報告書受領、並びに、再発防止策の策定、諮問委員会からの諮問結果及び新経営体制への移行等に関するお知らせ」 - 2015(平成27)年12月18日
「独立調査委員会による第3次調査報告書受領及び今後の日程に関するお知らせ」 - 2016(平成28)年1月4日
「過年度決算短信の訂正及び平成27年9月期決算短信公表並びに過年度有価証券報告書等及び内部統制報告書の訂正及び平成27年9月期有価証券報告書の提出に関するお知らせ」 - 2016(平成28)年2月3日
「公認会計士等の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」
【ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社の概要】
ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社(以下「JFLA」と略称する)は、明治29年設立の若林合名会社(後に若林酒類販売株式会社から忠勇株式会社へと社名変更)と明治40年設立の丸金醤油株式会社が、2000(平成12)年4月に合併してマルキン忠勇株式会社と社名変更を行った後、持株会社化(平成18年2月)した。連結子会社において、食品類・酒類の製造販売事業及び輸入食品・酒類の販売事業を行っている。連結売上高24,425百万円、包括利益288百万円。従業員数557名(数字はいずれも平成27年9月期)。本店所在地、香川県小豆郡小豆島町。東京証券取引所二部上場。
【第1次調査報告書のポイント】
1 会計監査人による疑義の指摘
JFLAの会計監査人である栄監査法人は、平成27年9月期の監査の過程で、代表取締役会長盛田英夫氏(以下「盛田会長」と略称する)の経費支出について使途不明分が判明したこと、盛田会長が実質的に支配する法人に対する貸付金の回収処理の妥当性、盛田会長と一定の関係がある個人・法人に対する業務委託料の金額の合理性について疑義があることから、7月30日、外部調査が必要であることをJFLA役員に告知した。
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