〔会計不正調査報告書を読む〕
【第63回】
株式会社AKIBAホールディングス
「第三者委員会調査報告書(平成29年7月28日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2017(平成29)年5月11日
「当社元取締役による不正行為に関するお知らせ並びに平成29年3月期決算発表の延期に関するお知らせ」 - 2017(平成29)年5月26日
「第三者委員会の設置及び平成29年3月期決算発表の再延期並びに第35回定時株主総会の延期に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
公認会計士 小川 真人
【委 員】
弁護士 政木 道夫
弁護士・公認会計士 坂本 朋博
補助者として、弁護士1名及び公認会計士2名が調査に携わっている。
〔調査期間〕
2017(平成29)年5月26日から7月28日まで
〔調査の目的〕
(1) 元取締役が、連結子会社であるiconic Storage株式会社その他の会社を通じて行った不正取引の事実関係の調査
(2) 上記取引に係る会計処理についての検討
(3) 上記取引の原因及び責任の分析並びに再発防止策の提言
〔適時開示(調査結果)〕
- 2017(平成29)年7月28日
「第三者委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」 - 2017(平成29)年7月31日
「第三者委員会からの調査報告書の全文開示に関するお知らせ」
「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等の一部訂正に関するお知らせ」
【株式会社AKIBAホールディングスの概要】
株式会社AKIBAホールディングス(以下「AHD」と略称する)は、1983(昭和58)年設立。2015(平成27)年10月に純粋持株会社へ移行するともに社名変更。旧社名は株式会社アドテック。メモリ製品製造販売事業を中心に業容を拡大、ウェブソリューション事業などを手がける。売上高6,529百万円、経常損失13百万円、従業員数93名(数字はいずれも2017年3月期末)。代表取締役社長は下津弘亨氏(以下「下津社長」という)本店所在地は東京都中央区。JASDAQに上場。内部通報により、不正取引が発覚した連結子会社のiconic Storage株式会社(以下「iconic社」と略称する)は、コールセンターサービスなどを手がけ、2016年(平成28年)3月に、AHDによって買収された。代表取締役は、AHD代表取締役の下津社長が兼務。
また、第三者委員会の調査の過程で不正が発覚した連結子会社の株式会社バディネット(以下「バディネット」と略称する)は、通信機器の開発・設計・運用を手がけ、2015(平成27)年1月、AHDに買収された。代表取締役はAHD取締役の堀礼一郎氏(以下「堀取締役」という)。
【第三者委員会調査報告書の概要】
1 調査に至る経緯
AHDは、平成29年4月12日、iconic社取締役より、iconic社からA1社への支払が架空発注によるものである旨の内部通報を受け、社内調査を行ったところ、元取締役甲がA1社を使っての資金を不正に利得した疑いがあること、また、元取締役甲が、A1社以外の会社を利用した不正取引も行っていた疑いがあることを認知した。
そのため、AHDは、より厳密な調査を行うとともに、調査の客観性及び信頼性を高めるため、平成29年5月26日、利害関係のない公認会計士及び弁護士による第三者委員会を設置した。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。