公開日: 2017/10/12 (掲載号:No.239)
文字サイズ

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第63回】株式会社AKIBAホールディングス「第三者委員会調査報告書(平成29年7月28日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第63回】

株式会社AKIBAホールディングス

「第三者委員会調査報告書(平成29年7月28日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

公認会計士 小川 真人

【委 員】

弁護士 政木 道夫

弁護士・公認会計士 坂本 朋博

補助者として、弁護士1名及び公認会計士2名が調査に携わっている。

〔調査期間〕

2017(平成29)年5月26日から7月28日まで

〔調査の目的〕

(1) 元取締役が、連結子会社であるiconic Storage株式会社その他の会社を通じて行った不正取引の事実関係の調査

(2) 上記取引に係る会計処理についての検討

(3) 上記取引の原因及び責任の分析並びに再発防止策の提言

〔適時開示(調査結果)〕

 

【株式会社AKIBAホールディングスの概要】

株式会社AKIBAホールディングス(以下「AHD」と略称する)は、1983(昭和58)年設立。2015(平成27)年10月に純粋持株会社へ移行するともに社名変更。旧社名は株式会社アドテック。メモリ製品製造販売事業を中心に業容を拡大、ウェブソリューション事業などを手がける。売上高6,529百万円、経常損失13百万円、従業員数93名(数字はいずれも2017年3月期末)。代表取締役社長は下津弘亨氏(以下「下津社長」という)本店所在地は東京都中央区。JASDAQに上場。

内部通報により、不正取引が発覚した連結子会社のiconic Storage株式会社(以下「iconic社」と略称する)は、コールセンターサービスなどを手がけ、2016年(平成28年)3月に、AHDによって買収された。代表取締役は、AHD代表取締役の下津社長が兼務。

また、第三者委員会の調査の過程で不正が発覚した連結子会社の株式会社バディネット(以下「バディネット」と略称する)は、通信機器の開発・設計・運用を手がけ、2015(平成27)年1月、AHDに買収された。代表取締役はAHD取締役の堀礼一郎氏(以下「堀取締役」という)。

 

【第三者委員会調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

AHDは、平成29年4月12日、iconic社取締役より、iconic社からA1社への支払が架空発注によるものである旨の内部通報を受け、社内調査を行ったところ、元取締役甲がA1社を使っての資金を不正に利得した疑いがあること、また、元取締役甲が、A1社以外の会社を利用した不正取引も行っていた疑いがあることを認知した。

そのため、AHDは、より厳密な調査を行うとともに、調査の客観性及び信頼性を高めるため、平成29年5月26日、利害関係のない公認会計士及び弁護士による第三者委員会を設置した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第63回】

株式会社AKIBAホールディングス

「第三者委員会調査報告書(平成29年7月28日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

公認会計士 小川 真人

【委 員】

弁護士 政木 道夫

弁護士・公認会計士 坂本 朋博

補助者として、弁護士1名及び公認会計士2名が調査に携わっている。

〔調査期間〕

2017(平成29)年5月26日から7月28日まで

〔調査の目的〕

(1) 元取締役が、連結子会社であるiconic Storage株式会社その他の会社を通じて行った不正取引の事実関係の調査

(2) 上記取引に係る会計処理についての検討

(3) 上記取引の原因及び責任の分析並びに再発防止策の提言

〔適時開示(調査結果)〕

 

【株式会社AKIBAホールディングスの概要】

株式会社AKIBAホールディングス(以下「AHD」と略称する)は、1983(昭和58)年設立。2015(平成27)年10月に純粋持株会社へ移行するともに社名変更。旧社名は株式会社アドテック。メモリ製品製造販売事業を中心に業容を拡大、ウェブソリューション事業などを手がける。売上高6,529百万円、経常損失13百万円、従業員数93名(数字はいずれも2017年3月期末)。代表取締役社長は下津弘亨氏(以下「下津社長」という)本店所在地は東京都中央区。JASDAQに上場。

内部通報により、不正取引が発覚した連結子会社のiconic Storage株式会社(以下「iconic社」と略称する)は、コールセンターサービスなどを手がけ、2016年(平成28年)3月に、AHDによって買収された。代表取締役は、AHD代表取締役の下津社長が兼務。

また、第三者委員会の調査の過程で不正が発覚した連結子会社の株式会社バディネット(以下「バディネット」と略称する)は、通信機器の開発・設計・運用を手がけ、2015(平成27)年1月、AHDに買収された。代表取締役はAHD取締役の堀礼一郎氏(以下「堀取締役」という)。

 

【第三者委員会調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

AHDは、平成29年4月12日、iconic社取締役より、iconic社からA1社への支払が架空発注によるものである旨の内部通報を受け、社内調査を行ったところ、元取締役甲がA1社を使っての資金を不正に利得した疑いがあること、また、元取締役甲が、A1社以外の会社を利用した不正取引も行っていた疑いがあることを認知した。

そのため、AHDは、より厳密な調査を行うとともに、調査の客観性及び信頼性を高めるため、平成29年5月26日、利害関係のない公認会計士及び弁護士による第三者委員会を設置した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第140回 ※クリックするとご覧いただけます。

第141回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

【電子書籍版】会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

先進事例と実践 人的資本経営と情報開示

EY新日本有限責任監査法人 編 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 編

企業戦略としての役員報酬

弁護士 中西和幸 著

気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩

公認会計士 石王丸周夫 著

法務コンプライアンス実践ガイド

弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

仮装経理の実務対応

税理士 鈴木清孝 著

不正会計リスクにどう立ち向かうか!

公認会計士・公認不正検査士 宇澤亜弓 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#