公開日: 2018/07/12 (掲載号:No.276)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第74回】日本紙パルプ商事株式会社「社内調査委員会調査報告書開示版(平成30年5月18日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第74回】

日本紙パルプ商事株式会社

「社内調査委員会調査報告書開示版(平成30年5月18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【社内調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔社内調査委員会〕

(設置当初)

【委員長】

及川 清彦(当社顧問弁護士)

【委 員】

勝田 千尋(当社取締役専務執行役員 管理・企画統括)

増田 格(当社社外取締役)

酒井 諭(当社常勤監査役)

(一部構成変更後)

【委員長】

及川 清彦(当社顧問弁護士)

【委 員】

増田 格(当社社外取締役)

樋口 尚文(当社社外監査役 公認会計士)

新川 裕一(当社内部監査室室長)

三宅 英貴(弁護士)

他に、補助者として、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士西谷敦ほか3名とPwCアドバイザリー合同会社の佐々木健仁ほか公認会計士等不正調査の専門家12名を選任している。

〔調査期間〕

2018(平成30)年2月28日から2018(平成30)年5月17日まで

〔調査の目的〕

① 本件不正行為に関する事実関係及びこれに関連・類似する事象の事実関係の調査

② 本件不正行為による当社及びJPシステムソリューション株式会社の財務諸表への影響額の確定

③ 本件不正行為が生じた要因の究明と再発防止策の提言

〔適時開示(調査結果)〕

 

【日本紙パルプ商事株式会社の概要】

日本紙パルプ商事株式会社(以下「当社」と略称する)は、創業1845(弘化2)年、設立1926(大正5)年。1970(昭和45)年より同商号となる。紙、パルプの売買及び輸出入を主たる事業とする。連結売上高521,526百万円、経常利益9,998百万円、従業員数3,693名(数字はいずれも平成30年3月期)。子会社73社及び関連会社24社を有する。本店所在地は東京都中央区。東京証券取引所一部上場。

不適切な会計処理が発覚した非連結の完全子会社JPシステムソリューション株式会社(以下「SS社」という)は、2007年1月、当社の印刷・情報用紙営業本部特需部ソリューションビジネス化を母体として設立。コンピュータシステムの企画設計・運用サービス及びシステム機器の販売を主な事業内容とする。訂正前の2017年3月期の売上高1,948百万円、経常利益92百万円。資本金50百万円。調査時点における従業員数は39名である。

なお、SS社を連結対象としていないことについて、調査報告書には以下の記載がある(p.8)。

SS社は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき、小規模で合計の総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等はいずれも当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないことを理由として連結の範囲から除外されていることに加え、持分法の適用範囲からも除外されている。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

2017年5月から6月にかけて、当社内部監査室によるSS社の業務監査の結果、期間保守契約において収益の繰延べや利益操作がなされるおそれがあること、SS社専務取締役X氏の接待費について、発生年月と計上年月の期ズレ、領収書の不備、事前稟議申請漏れなどが指摘され、こうした指摘事項が、当社関連事業管理部国内事業管理課において解決する取組みを行っている過程で、一部の売上について約4億5,000万円(累計)の売上原価が不正に先送りされている可能性があることが発見され、社内調査委員会が設置された。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第74回】

日本紙パルプ商事株式会社

「社内調査委員会調査報告書開示版(平成30年5月18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【社内調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔社内調査委員会〕

(設置当初)

【委員長】

及川 清彦(当社顧問弁護士)

【委 員】

勝田 千尋(当社取締役専務執行役員 管理・企画統括)

増田 格(当社社外取締役)

酒井 諭(当社常勤監査役)

(一部構成変更後)

【委員長】

及川 清彦(当社顧問弁護士)

【委 員】

増田 格(当社社外取締役)

樋口 尚文(当社社外監査役 公認会計士)

新川 裕一(当社内部監査室室長)

三宅 英貴(弁護士)

他に、補助者として、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士西谷敦ほか3名とPwCアドバイザリー合同会社の佐々木健仁ほか公認会計士等不正調査の専門家12名を選任している。

〔調査期間〕

2018(平成30)年2月28日から2018(平成30)年5月17日まで

〔調査の目的〕

① 本件不正行為に関する事実関係及びこれに関連・類似する事象の事実関係の調査

② 本件不正行為による当社及びJPシステムソリューション株式会社の財務諸表への影響額の確定

③ 本件不正行為が生じた要因の究明と再発防止策の提言

〔適時開示(調査結果)〕

 

【日本紙パルプ商事株式会社の概要】

日本紙パルプ商事株式会社(以下「当社」と略称する)は、創業1845(弘化2)年、設立1926(大正5)年。1970(昭和45)年より同商号となる。紙、パルプの売買及び輸出入を主たる事業とする。連結売上高521,526百万円、経常利益9,998百万円、従業員数3,693名(数字はいずれも平成30年3月期)。子会社73社及び関連会社24社を有する。本店所在地は東京都中央区。東京証券取引所一部上場。

不適切な会計処理が発覚した非連結の完全子会社JPシステムソリューション株式会社(以下「SS社」という)は、2007年1月、当社の印刷・情報用紙営業本部特需部ソリューションビジネス化を母体として設立。コンピュータシステムの企画設計・運用サービス及びシステム機器の販売を主な事業内容とする。訂正前の2017年3月期の売上高1,948百万円、経常利益92百万円。資本金50百万円。調査時点における従業員数は39名である。

なお、SS社を連結対象としていないことについて、調査報告書には以下の記載がある(p.8)。

SS社は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき、小規模で合計の総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等はいずれも当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないことを理由として連結の範囲から除外されていることに加え、持分法の適用範囲からも除外されている。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

2017年5月から6月にかけて、当社内部監査室によるSS社の業務監査の結果、期間保守契約において収益の繰延べや利益操作がなされるおそれがあること、SS社専務取締役X氏の接待費について、発生年月と計上年月の期ズレ、領収書の不備、事前稟議申請漏れなどが指摘され、こうした指摘事項が、当社関連事業管理部国内事業管理課において解決する取組みを行っている過程で、一部の売上について約4億5,000万円(累計)の売上原価が不正に先送りされている可能性があることが発見され、社内調査委員会が設置された。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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公認会計士 山岡信一郎 著

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