公開日: 2018/08/16 (掲載号:No.281)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第75回】ブロードメディア株式会社「第三者委員会調査報告書開示版(平成30年5月23日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第75回】

ブロードメディア株式会社

「第三者委員会調査報告書開示版(平成30年5月23日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

本村 健(弁護士)

【副委員長】

和田 芳幸(公認会計士)

【委 員】

河江 健史(公認会計士)

戸澤 晃広(弁護士)

他に、委員会の直属として、弁護士5名、公認会計士7名、その他2名、デジタル・フォレンジックス調査等の支援のためにPwCビジネスアシュアランス合同会社に所属する専門家26名の補助を受けた。

〔調査期間〕

2018(平成30)年4月20日から2018(平成30)年5月21日まで

〔調査の目的〕

① 連結子会社における架空取引を当社の役員が認識していた可能性の検討

② 上記架空取引に類似する取引等の有無の検討

③ その他、第三者委員会が必要と認める調査

〔適時開示(調査結果)〕

 

【ブロードメディア株式会社の概要】

ブロードメディア株式会社(以下「ブロードメディア」と略称する)は、1996年9月設立、1998年11月事業開始。映像コンテンツの制作、流通、配信を主たる事業とする。連結売上高10,800百万円、連結経常利益81百万円、従業員数405名(数字は、いずれも2018年3月期)。JASDAQ上場。

架空取引による被害を生じた連結子会社の株式会社釣りビジョン(以下「釣りビジョン」と略称する)は1998年3月設立。主として釣りに関する映像コンテンツを制作し、BS、CS放送に配信している。資本金約11億4千万円。売上高5,854百万円、経常利益314百万円(数字はいずれも訂正前の2017年3月期実績)。主な株主はブロードメディア株式会社(51%)、株式会社シマノ、株式会社東北新社。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

ブロードメディアは、2018年1月16日、連結子会社である釣りビジョンの業務委託先企業である株式会社A(以下「A社」という)の代理人弁護士から、2007年から2017年にわたる映像受託制作取引につき、クライアントとのやり取り等を含めた取引全体が架空(以下「本件架空取引 」という)であった旨の報告を受けたことから、同日より1月30日までの間、内部で可能な調査を進め、1月30日付で、「連結子会社の架空取引被害及び当社の平成30年3月期第3四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表すると同時に、社内調査委員会を設置して調査を進め、調査内容を3月14日、4月13日に公表した。

しかし、2017年12月期第3四半期報告書に係る四半期レビュー報告書について、会計監査人である仁智監査法人による結論が不表明であったこと、また、社内調査委員会によるヒアリングや調査を済ませていた内部者より、改めてブロードメディア役員に係る追加調査をすべき旨の申告があり、ブロードメディア役員が架空取引を認識していた可能性に言及されていた点等を踏まえ、より慎重に調査範囲の拡大を行う必要があると判断したことから第三者委員会を設置し、更なる調査を行うこととした。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第75回】

ブロードメディア株式会社

「第三者委員会調査報告書開示版(平成30年5月23日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

本村 健(弁護士)

【副委員長】

和田 芳幸(公認会計士)

【委 員】

河江 健史(公認会計士)

戸澤 晃広(弁護士)

他に、委員会の直属として、弁護士5名、公認会計士7名、その他2名、デジタル・フォレンジックス調査等の支援のためにPwCビジネスアシュアランス合同会社に所属する専門家26名の補助を受けた。

〔調査期間〕

2018(平成30)年4月20日から2018(平成30)年5月21日まで

〔調査の目的〕

① 連結子会社における架空取引を当社の役員が認識していた可能性の検討

② 上記架空取引に類似する取引等の有無の検討

③ その他、第三者委員会が必要と認める調査

〔適時開示(調査結果)〕

 

【ブロードメディア株式会社の概要】

ブロードメディア株式会社(以下「ブロードメディア」と略称する)は、1996年9月設立、1998年11月事業開始。映像コンテンツの制作、流通、配信を主たる事業とする。連結売上高10,800百万円、連結経常利益81百万円、従業員数405名(数字は、いずれも2018年3月期)。JASDAQ上場。

架空取引による被害を生じた連結子会社の株式会社釣りビジョン(以下「釣りビジョン」と略称する)は1998年3月設立。主として釣りに関する映像コンテンツを制作し、BS、CS放送に配信している。資本金約11億4千万円。売上高5,854百万円、経常利益314百万円(数字はいずれも訂正前の2017年3月期実績)。主な株主はブロードメディア株式会社(51%)、株式会社シマノ、株式会社東北新社。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

ブロードメディアは、2018年1月16日、連結子会社である釣りビジョンの業務委託先企業である株式会社A(以下「A社」という)の代理人弁護士から、2007年から2017年にわたる映像受託制作取引につき、クライアントとのやり取り等を含めた取引全体が架空(以下「本件架空取引 」という)であった旨の報告を受けたことから、同日より1月30日までの間、内部で可能な調査を進め、1月30日付で、「連結子会社の架空取引被害及び当社の平成30年3月期第3四半期決算発表延期に関するお知らせ」を公表すると同時に、社内調査委員会を設置して調査を進め、調査内容を3月14日、4月13日に公表した。

しかし、2017年12月期第3四半期報告書に係る四半期レビュー報告書について、会計監査人である仁智監査法人による結論が不表明であったこと、また、社内調査委員会によるヒアリングや調査を済ませていた内部者より、改めてブロードメディア役員に係る追加調査をすべき旨の申告があり、ブロードメディア役員が架空取引を認識していた可能性に言及されていた点等を踏まえ、より慎重に調査範囲の拡大を行う必要があると判断したことから第三者委員会を設置し、更なる調査を行うこととした。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

公認会計士 山岡信一郎 著

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相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル

弁護士・税理士 米倉裕樹 編者 弁護士・税理士 橋森正樹、弁護士 元氏成保、弁護士 阪本敬幸、税理士 徳田敏彦 著

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