公開日: 2020/09/10 (掲載号:No.385)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第104回】学校法人明浄学院「第三者委員会調査報告書(2019年12月30日付)」、株式会社プレサンスコーポレーション「外部経営改革委員会調査報告書(2020年3月1日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第104回】

学校法人明浄学院

「第三者委員会調査報告書(2019年12月30日付)」、

株式会社プレサンスコーポレーション

「外部経営改革委員会調査報告書(2020年3月1日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【横領事件の概要】

2019年12月5日、学校法人明浄学院(以下「明浄学院」と略称する)の元理事長大橋美枝子氏(以下「元理事長」と略称する)と明浄学院の元理事で、株式会社プレサンスコーポレーション(以下「プレサンス」と略称する)の前代表取締役山岸忍氏(以下「山岸前社長」と略称する)ら6人が、業務上横領容疑で、大阪地方検察庁に逮捕されるというニュースが伝えられた。本稿では、100年の歴史を有する学校法人から21億円という巨額の資金を横領したとされる事件を調査した2つの委員会の調査報告書を検討したい。

新聞報道によれば、元理事長はかねてから学校経営に意欲を示しており、多額の資金提供によって、2016年4月に明浄学院の副理事長に就任し、翌年には理事長となる。明浄学院の経営に参画するための巨額の資金(18億円)を元理事長に提供していたのが、山岸前社長であり、山岸前社長も、その後、明浄学院の理事に就任している。

2017年7月、明浄学院は、運営する高等学校の敷地の一部について、株式会社ピア・グレース(以下「ピア・グレース」と略称する)を通じて、プレサンスに売却するため、ピア・グレースとの間で売買契約を締結して21億円の手付金を受け取った。この手付金は、元理事長の指示により、株式会社サン企画(以下「サン企画」と略称する)に預けられたが、この資金が、株式会社ティー・ワイエフを通じて山岸前社長に還流しているものと見られている。

新聞報道及び今回取り上げた調査報告書をもとに、契約関係、資金の流れを図示すると、次のようであったと考えられる。

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【第104回】

学校法人明浄学院

「第三者委員会調査報告書(2019年12月30日付)」、

株式会社プレサンスコーポレーション

「外部経営改革委員会調査報告書(2020年3月1日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【横領事件の概要】

2019年12月5日、学校法人明浄学院(以下「明浄学院」と略称する)の元理事長大橋美枝子氏(以下「元理事長」と略称する)と明浄学院の元理事で、株式会社プレサンスコーポレーション(以下「プレサンス」と略称する)の前代表取締役山岸忍氏(以下「山岸前社長」と略称する)ら6人が、業務上横領容疑で、大阪地方検察庁に逮捕されるというニュースが伝えられた。本稿では、100年の歴史を有する学校法人から21億円という巨額の資金を横領したとされる事件を調査した2つの委員会の調査報告書を検討したい。

新聞報道によれば、元理事長はかねてから学校経営に意欲を示しており、多額の資金提供によって、2016年4月に明浄学院の副理事長に就任し、翌年には理事長となる。明浄学院の経営に参画するための巨額の資金(18億円)を元理事長に提供していたのが、山岸前社長であり、山岸前社長も、その後、明浄学院の理事に就任している。

2017年7月、明浄学院は、運営する高等学校の敷地の一部について、株式会社ピア・グレース(以下「ピア・グレース」と略称する)を通じて、プレサンスに売却するため、ピア・グレースとの間で売買契約を締結して21億円の手付金を受け取った。この手付金は、元理事長の指示により、株式会社サン企画(以下「サン企画」と略称する)に預けられたが、この資金が、株式会社ティー・ワイエフを通じて山岸前社長に還流しているものと見られている。

新聞報道及び今回取り上げた調査報告書をもとに、契約関係、資金の流れを図示すると、次のようであったと考えられる。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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