〔会計不正調査報告書を読む〕
【第113回】
SBIソーシャルレンディング株式会社
「第三者委員会調査報告書(公表版)(2021年4月28日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【SBIソーシャルレンディング株式会社第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2021年2月5日
「第三者委員会設置に関するお知らせ」 - 同年2月17日
「当社が取り扱う一部ファンドに関するお知らせ」 - 同年3月8日
「投資家の皆様に対する出資金の償還及び分配金の支払の遅延に関するお知らせ」 - 同年4月2日
「未償還元本相当額の償還に向けた取り組みに関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
錦野 裕宗(弁護士)
【委 員】
藤武 寛之(弁護士)
海宝 明(株式会社サイリス監査役)
調査補助者として、山田晃久、鍜治雄一、髙橋瑛輝、橿渕陽、藤井寿、南史人、堤一歩ほか1名の合計8名の弁護士を選任している。
〔調査期間〕
2021年2月6日から同年4月25日まで
〔調査目的〕
① A社関連ファンドに関する事実関係の調査及び事実認定
② ①で認定した事実の評価、原因の分析及び再発防止策等の提言
③ ①、②の事項を遂行した結果に基づく調査報告書の作成及びその調査報告書のSBIソーシャルレンディング株式会社への提出
④ その他、当委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2021年4月28日
「当社貸付先の重大な懸案事項に関する第三者委員会の調査報告と再発防止策等について」
【SBIソーシャルレンディング株式会社の概要】
SBIソーシャルレンディング株式会社(以下「SBISL」と略称する)は、2008(平成20)年1月設立。ソーシャルレンディングサービスにおける出資募集業務、貸金業務を主たる事業とする。会社の機関として株主総会のほか、取締役会と監査役及び会計監査人を設置しており、2021年2月18日時点における取締役は5名(うち1名は社外取締役)、監査役は2名である(調査報告書10ページ)。営業貸付金残高42,184百万円、営業収益3,236百万円、税引前当期純利益244百万円(いずれも2020年3月期実績)。資本金1,000万円(SBIグループ100%)。本社所在地は東京都港区。親会社であるSBIホールディングス株式会社(以下「SBIHD」と略称する)は、1999(平成11)年7月設立。株式等の保有を通じた企業グループの統括・運営等を事業内容とする。連結収益368,055百万円、税引前利益65,819百万円、従業員数8,003人、連結子会社268社、持分法適用会社34社(2020年3月期実績)。東京証券取引所市場第1部上場。本店所在地は東京都港区。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ。
【調査報告書の概要】
まず、本件で問題となったSBISLのソーシャルレンディングに係るビジネスモデルについて、調査報告書から引用する(調査報告書10ページ)。この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
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