公開日: 2018/01/11 (掲載号:No.251)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第67回】OSJBホールディングス株式会社「社内調査委員会調査報告書(平成29年12月13日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第67回】

OSJBホールディングス株式会社

「社内調査委員会調査報告書(平成29年12月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【社内調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔社内調査委員会〕

【委員長】

橋本 幸彦(取締役 内部統制 経営企画担当)

【委 員】

髙井 繁 (取締役 経理財務 総務 コンプライアンス担当)

住江 清 (社外取締役 独立役員)

久米 清忠(常勤監査役)

桃崎 有治(社外監査役 独立役員 公認会計士)

谷原 幸一(経理財務室長)

行松 俊樹(経営企画室長)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の西谷敦弁護士以下6名、PwCアドバイザリー合同会社佐々木健仁以下28名が、調査補助者として調査の補佐を行っている。

〔調査期間〕

2017(平成29)年10月12日から11月30日まで

〔調査の目的〕

(1) 国税局から指摘を受けた、以下の不正行為に係る事実関係の調査及び類似案件の有無の調査

① 協力会社に対し架空又は水増し発注を行い、その架空又は水増し発注額の一部又は全部をキックバックとして受け取る行為

② 協力会社である設計事務所に対し設計業務の架空発注を行い、その架空発注額等をプールさせて協力会社への支払いに充当する行為

③ 工事現場で発生したスクラップ等の売却代金・自動販売機の販売手数料の着服

④ PC工法の販売促進を目的とした営業代理等を行う会社に対する販売促進手数料を、当該会社又は同会社が指定する別会社に対し「施工図代」又は「設計外注費」名目で支払う行為

⑤ 工事原価の付け替え行為(ある工事に計上すべき原価又は費用を他の工事の原価として計上する行為)

(2) 上記不正行為が行われた原因及び背景の調査、並びに再発防止策の検討

〔適時開示(調査結果)〕

 

【OSJBホールディングス株式会社の概要】

OSJBホールディングス株式会社(以下「OSJB」と略称する)は、大正8(1919)年創立。傘下に、建設事業を営むオリエンタル白石株式会社及び株式会社タイコー技建、鋼構造物事業を営む日本橋梁株式会社の三事業会社を有する持株会社である。売上高51,314百万円、経常利益3,042百万円、従業員数848名(数字はいずれも平成29年3月期)。本店所在地は東京都江東区。東京証券取引所1部上場。

今回、従業員による不正が発覚したオリエンタル白石株式会社(以下「ORSC」と略称する)は、2007年10月、オリエンタル建設株式会社と株式會社白石が合併して発足。2011年12月日本橋梁株式会社と経営統合して、現在に至る。土木構造物の設計、製造、施工及び建築構造物の製造、施工を主たる事業とする。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

2017年8月に開始された東京国税局による税務調査の過程において、ORSCの事業所において、協力会社に対する架空又は水増し発注がなされた疑いがある等の指摘を受けたため、OSJBは、10月12日に社内調査委員会を設置し、国税局による指摘事項の事実解明のために調査に着手した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第67回】

OSJBホールディングス株式会社

「社内調査委員会調査報告書(平成29年12月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【社内調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔社内調査委員会〕

【委員長】

橋本 幸彦(取締役 内部統制 経営企画担当)

【委 員】

髙井 繁 (取締役 経理財務 総務 コンプライアンス担当)

住江 清 (社外取締役 独立役員)

久米 清忠(常勤監査役)

桃崎 有治(社外監査役 独立役員 公認会計士)

谷原 幸一(経理財務室長)

行松 俊樹(経営企画室長)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の西谷敦弁護士以下6名、PwCアドバイザリー合同会社佐々木健仁以下28名が、調査補助者として調査の補佐を行っている。

〔調査期間〕

2017(平成29)年10月12日から11月30日まで

〔調査の目的〕

(1) 国税局から指摘を受けた、以下の不正行為に係る事実関係の調査及び類似案件の有無の調査

① 協力会社に対し架空又は水増し発注を行い、その架空又は水増し発注額の一部又は全部をキックバックとして受け取る行為

② 協力会社である設計事務所に対し設計業務の架空発注を行い、その架空発注額等をプールさせて協力会社への支払いに充当する行為

③ 工事現場で発生したスクラップ等の売却代金・自動販売機の販売手数料の着服

④ PC工法の販売促進を目的とした営業代理等を行う会社に対する販売促進手数料を、当該会社又は同会社が指定する別会社に対し「施工図代」又は「設計外注費」名目で支払う行為

⑤ 工事原価の付け替え行為(ある工事に計上すべき原価又は費用を他の工事の原価として計上する行為)

(2) 上記不正行為が行われた原因及び背景の調査、並びに再発防止策の検討

〔適時開示(調査結果)〕

 

【OSJBホールディングス株式会社の概要】

OSJBホールディングス株式会社(以下「OSJB」と略称する)は、大正8(1919)年創立。傘下に、建設事業を営むオリエンタル白石株式会社及び株式会社タイコー技建、鋼構造物事業を営む日本橋梁株式会社の三事業会社を有する持株会社である。売上高51,314百万円、経常利益3,042百万円、従業員数848名(数字はいずれも平成29年3月期)。本店所在地は東京都江東区。東京証券取引所1部上場。

今回、従業員による不正が発覚したオリエンタル白石株式会社(以下「ORSC」と略称する)は、2007年10月、オリエンタル建設株式会社と株式會社白石が合併して発足。2011年12月日本橋梁株式会社と経営統合して、現在に至る。土木構造物の設計、製造、施工及び建築構造物の製造、施工を主たる事業とする。

 

【調査報告書の概要】

1 調査に至る経緯

2017年8月に開始された東京国税局による税務調査の過程において、ORSCの事業所において、協力会社に対する架空又は水増し発注がなされた疑いがある等の指摘を受けたため、OSJBは、10月12日に社内調査委員会を設置し、国税局による指摘事項の事実解明のために調査に着手した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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