公開日: 2014/10/30 (掲載号:No.92)
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〔会計不正調査報告書を読む〕【第21回】株式会社富士通ビー・エス・シー・「従業員による不正行為に関する第三者委員会調査報告書」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第21回】

株式会社富士通ビー・エス・シー・

「従業員による不正行為に関する第三者委員会調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年7月4日
    「当社従業員による不正行為のお知らせ」
  • 同7月7日
    「第三者委員会設置のお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:宇澤 亜弓(公認会計士、公認不正検査士)
  • 委 員:村島 俊宏(弁護士)
  • 委 員:熊谷 真喜(弁護士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年7月7日から2014年(平成26)年8月13日まで

〔調査依頼者〕

株式会社富士通ビー・エス・シー

〔調査委員会の目的〕

(1) 本件疑義に関する事実関係及び問題点の調査分析

(2) 本件疑義に関する取引に係る適正な会計処理の検討

(3) 再発防止策の検討及び提言

〔適時開示〕

  • 2014(平成26)年8月14日
    「第三者委員会の調査結果等について」
    「過年度に係る有価証券報告書の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等(訂正版)の公表について」

 

【株式会社富士通ビー・エス・シーの概要】

株式会社富士通ビー・エス・シー(以下「BSC」という)は、1963(昭和38)年創業。創業時の社名は、日産リース株式会社。その後、日産コンピュータ株式会社への社名変更を経て、1975(昭和50)年から富士通株式会社(以下「富士通」という)の子会社となる。現在の富士通による持株比率は56.44%。各種システム用ソフトウエア開発を主たる事業とする。連結売上高31,547百万円、連結経常利益1,375百万円。従業員数2,119名(数字はいずれも平成26年3月期)。本店所在地、東京都港区。JASDAQ上場。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯

(1) 経理部による決算資料作成

4月28日、経理部は、平成26年3月期決算の説明準備段階において、甲社に対する売掛金残高が1年前の約5億円から、約8億円に増加していることを把握し、担当の管理部門に対する問い合わせの結果、甲社に対する売掛金の大部分が未請求売掛金(工事進行基準の適用により売上計上されたが、未検収であるため未だ取引先に対して請求をしていないものをいう。以下同じ)であり、中には、平成21年11月1日に作業を開始したオーダに係るもの(4年以上滞留)も存在することが判明した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第21回】

株式会社富士通ビー・エス・シー・

「従業員による不正行為に関する第三者委員会調査報告書」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【概 要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年7月4日
    「当社従業員による不正行為のお知らせ」
  • 同7月7日
    「第三者委員会設置のお知らせ」

〔第三者委員会〕

  • 委員長:宇澤 亜弓(公認会計士、公認不正検査士)
  • 委 員:村島 俊宏(弁護士)
  • 委 員:熊谷 真喜(弁護士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年7月7日から2014年(平成26)年8月13日まで

〔調査依頼者〕

株式会社富士通ビー・エス・シー

〔調査委員会の目的〕

(1) 本件疑義に関する事実関係及び問題点の調査分析

(2) 本件疑義に関する取引に係る適正な会計処理の検討

(3) 再発防止策の検討及び提言

〔適時開示〕

  • 2014(平成26)年8月14日
    「第三者委員会の調査結果等について」
    「過年度に係る有価証券報告書の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等(訂正版)の公表について」

 

【株式会社富士通ビー・エス・シーの概要】

株式会社富士通ビー・エス・シー(以下「BSC」という)は、1963(昭和38)年創業。創業時の社名は、日産リース株式会社。その後、日産コンピュータ株式会社への社名変更を経て、1975(昭和50)年から富士通株式会社(以下「富士通」という)の子会社となる。現在の富士通による持株比率は56.44%。各種システム用ソフトウエア開発を主たる事業とする。連結売上高31,547百万円、連結経常利益1,375百万円。従業員数2,119名(数字はいずれも平成26年3月期)。本店所在地、東京都港区。JASDAQ上場。

 

【報告書のポイント】

1 調査に至った経緯

(1) 経理部による決算資料作成

4月28日、経理部は、平成26年3月期決算の説明準備段階において、甲社に対する売掛金残高が1年前の約5億円から、約8億円に増加していることを把握し、担当の管理部門に対する問い合わせの結果、甲社に対する売掛金の大部分が未請求売掛金(工事進行基準の適用により売上計上されたが、未検収であるため未だ取引先に対して請求をしていないものをいう。以下同じ)であり、中には、平成21年11月1日に作業を開始したオーダに係るもの(4年以上滞留)も存在することが判明した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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