公開日: 2020/12/10 (掲載号:No.398)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第107回】ハイアス・アンド・カンパニー株式会社「第三者委員会中間調査報告書(2020年9月28日付)、第三者委員会最終調査報告書(2020年10月26日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第107回】

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社

「第三者委員会中間調査報告書(2020年9月28日付)、
第三者委員会最終調査報告書(2020年10月26日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【ハイアス・アンド・カンパニー株式会社第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会〕

【委員長】

伊藤 信彦(弁護士)

【委 員】

赤井 厚雄(当社社外取締役)

坂田 真吾(当社社外監査役、弁護士)

河江 健史(公認会計士)

〔第三者委員会〕

【委員長】

山口 利昭(弁護士・公認不正検査士)

【副委員長】

竹内 朗(弁護士・公認不正検査士)

【委 員】

三宅 英貴(弁護士)

伊藤 信彦(弁護士)

河江 健史(公認会計士)

【調査補助者】

・プロアクト法律事務所所属の弁護士・公認不正検査士

大野徹也、渡邊宙志、田中伸英、岩渕恵理

・アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の弁護士

大西良平、髙田将寛、角田匠吾

・光和総合法律事務所所属の弁護士

木谷太郎、中澤雄仁、野原俊介、鈴木智也、永井徳人、井上龍太郎、坂下大貴、橋本祥、佐藤敬太、網倉健太、櫻井駿、松宮愛

・公認会計士チーム

張本和志、佐々木洋平、河合健一、吉田浩平、吉田圭太、田村亮人、髙山清子、他5名

・PwCアドバイザリー合同会社

那須美帆子(公認会計士)、岡本真一(公認会計士)、井上浩三郎(公認会計士)、小澤茂樹(公認会計士)、石垣貴博(公認会計士)、他3名

・株式会社 foxcale

松村直毅、小池赳司(公認会計士)、宮下敦士、田野邊昂明、平山遼

〔調査期間〕

・2020年8月31日から9月27日まで(中間調査報告書)

・中間調査報告書提出後、10月25日まで(最終調査報告書)

〔調査目的〕

(1) 新たな疑義に関する事実関係の調査

(2) 類似事案の有無の確認

(3) 上記(1)及び(2)による当社財務諸表への影響の確定

(4) 当社株式の東京証券取引所マザーズから東京証券取引所市場第一部への市場変更のための審査に際してなされた報告内容に疑義を生じさせた事実関係の調査

(5) 原因究明及び再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【ハイアス・アンド・カンパニー株式会社の概要】

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(以下「ハイアス」と略称する)は、2005(平成17)年3月31日設立。事業内容は、不動産に関するコンサルティングと建築施工。売上高7,913百万円、経常利益174百万円、資本金433百万円、従業員数227名(いずれも2020年4月期連結実績)。本店所在地は東京都品川区。2016年4月、東京証券取引所マザーズ市場上場。会計監査人は有限責任あずさ監査法人東京事務所(以下「あずさ監査法人」と略称する)。

◎経緯

  • 2020年6月17日
    監査役会に外部からの情報提供。
    監査役会による調査開始。
  • 同年7月15日
    監査役会から取締役会に対して調査の中間報告。
  • 同年7月28日
    特別調査委員会の設置を決定(適時開示)。
  • 同年8月17日
    特別調査委員会による調査の進捗状況(適時開示)。
  • 同年8月31日
    特別調査委員会の調査状況/第三者委員会設置(適時開示)。
  • 同年9月29日
    第三者委員会中間調査報告書公表。

 

【調査報告書の概要】

第三者委員会は、ハイアスの特別調査委員会による調査結果を引き継ぎ、「新たな疑義」に関わる事実関係の調査を中心に、準備期間を含めると2ヶ月を超える期間の調査を行っている。

なお、本稿における役職者の呼称について、あらかじめお断りをしておきたい。第三者委員会による中間調査報告書で、「〇〇取締役」と表記されている役職者のうち、中間報告書公表後に辞任した者について、最終報告書では「〇〇元取締役」と呼称表記が改められているが、本稿では、表記変更に伴う混乱を避けるため、第三者委員会設置時の呼称をそのまま使用することとしている。

1 第三者委員会設置の経緯

(1) 特別調査委員会の設置

ハイアス監査役会が、2020年6月17日に受けた外部からの情報提供を契機として調査したところ、2016年4月期に費用計上すべきであった上場支援に係るコンサルタント報酬約880万円について、当該期に費用計上せず、2017年4月期にシステム開発の委託先を経由して支払ったため、当該期にソフトウェア資産として計上され、また、かかる実態と異なる名目での支払い稟議について、複数の取締役及び執行役員らが関与していた疑いがあることが判明し、2020年7月15日、監査役会から取締役会に対してその中間報告が行われた。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第107回】

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社

「第三者委員会中間調査報告書(2020年9月28日付)、
第三者委員会最終調査報告書(2020年10月26日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【ハイアス・アンド・カンパニー株式会社第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会〕

【委員長】

伊藤 信彦(弁護士)

【委 員】

赤井 厚雄(当社社外取締役)

坂田 真吾(当社社外監査役、弁護士)

河江 健史(公認会計士)

〔第三者委員会〕

【委員長】

山口 利昭(弁護士・公認不正検査士)

【副委員長】

竹内 朗(弁護士・公認不正検査士)

【委 員】

三宅 英貴(弁護士)

伊藤 信彦(弁護士)

河江 健史(公認会計士)

【調査補助者】

・プロアクト法律事務所所属の弁護士・公認不正検査士

大野徹也、渡邊宙志、田中伸英、岩渕恵理

・アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の弁護士

大西良平、髙田将寛、角田匠吾

・光和総合法律事務所所属の弁護士

木谷太郎、中澤雄仁、野原俊介、鈴木智也、永井徳人、井上龍太郎、坂下大貴、橋本祥、佐藤敬太、網倉健太、櫻井駿、松宮愛

・公認会計士チーム

張本和志、佐々木洋平、河合健一、吉田浩平、吉田圭太、田村亮人、髙山清子、他5名

・PwCアドバイザリー合同会社

那須美帆子(公認会計士)、岡本真一(公認会計士)、井上浩三郎(公認会計士)、小澤茂樹(公認会計士)、石垣貴博(公認会計士)、他3名

・株式会社 foxcale

松村直毅、小池赳司(公認会計士)、宮下敦士、田野邊昂明、平山遼

〔調査期間〕

・2020年8月31日から9月27日まで(中間調査報告書)

・中間調査報告書提出後、10月25日まで(最終調査報告書)

〔調査目的〕

(1) 新たな疑義に関する事実関係の調査

(2) 類似事案の有無の確認

(3) 上記(1)及び(2)による当社財務諸表への影響の確定

(4) 当社株式の東京証券取引所マザーズから東京証券取引所市場第一部への市場変更のための審査に際してなされた報告内容に疑義を生じさせた事実関係の調査

(5) 原因究明及び再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【ハイアス・アンド・カンパニー株式会社の概要】

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(以下「ハイアス」と略称する)は、2005(平成17)年3月31日設立。事業内容は、不動産に関するコンサルティングと建築施工。売上高7,913百万円、経常利益174百万円、資本金433百万円、従業員数227名(いずれも2020年4月期連結実績)。本店所在地は東京都品川区。2016年4月、東京証券取引所マザーズ市場上場。会計監査人は有限責任あずさ監査法人東京事務所(以下「あずさ監査法人」と略称する)。

◎経緯

  • 2020年6月17日
    監査役会に外部からの情報提供。
    監査役会による調査開始。
  • 同年7月15日
    監査役会から取締役会に対して調査の中間報告。
  • 同年7月28日
    特別調査委員会の設置を決定(適時開示)。
  • 同年8月17日
    特別調査委員会による調査の進捗状況(適時開示)。
  • 同年8月31日
    特別調査委員会の調査状況/第三者委員会設置(適時開示)。
  • 同年9月29日
    第三者委員会中間調査報告書公表。

 

【調査報告書の概要】

第三者委員会は、ハイアスの特別調査委員会による調査結果を引き継ぎ、「新たな疑義」に関わる事実関係の調査を中心に、準備期間を含めると2ヶ月を超える期間の調査を行っている。

なお、本稿における役職者の呼称について、あらかじめお断りをしておきたい。第三者委員会による中間調査報告書で、「〇〇取締役」と表記されている役職者のうち、中間報告書公表後に辞任した者について、最終報告書では「〇〇元取締役」と呼称表記が改められているが、本稿では、表記変更に伴う混乱を避けるため、第三者委員会設置時の呼称をそのまま使用することとしている。

1 第三者委員会設置の経緯

(1) 特別調査委員会の設置

ハイアス監査役会が、2020年6月17日に受けた外部からの情報提供を契機として調査したところ、2016年4月期に費用計上すべきであった上場支援に係るコンサルタント報酬約880万円について、当該期に費用計上せず、2017年4月期にシステム開発の委託先を経由して支払ったため、当該期にソフトウェア資産として計上され、また、かかる実態と異なる名目での支払い稟議について、複数の取締役及び執行役員らが関与していた疑いがあることが判明し、2020年7月15日、監査役会から取締役会に対してその中間報告が行われた。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

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徹底解説 課税上のグレーゾーン

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