公開日: 2024/06/13 (掲載号:No.573)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第156回】株式会社ラックランド「特別調査委員会調査報告書(公表版)(2024年4月12日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第156回】

株式会社ラックランド

「特別調査委員会調査報告書(公表版)(2024年4月12日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ラックランド特別調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会の構成〕

【委員長】

森 幹晴(弁護士、東京国際法律事務所)

【委 員】

松本 はるか(弁護士、東京国際法律事務所)

坂本 亮(公認会計士・税理士、坂本亮公認会計士事務所)

【副委員長(3月7日付で新たに選任された委員)

竹内 朗(弁護士・公認不正検査士、プロアクト法律事務所)

笹本 憲一(公認会計士・税理士、公認会計士笹本憲一事務所)

【調査補助者】

東京国際法律事務所所属の弁護士12名

プロアクト法律事務所所属の弁護士6名

早川・村木経営法律事務所所属の弁護士5名

その他公認会計士42名

フォレンジック調査補助者:株式会社foxcale

〔調査期間〕

2024年2月14日から4月12日まで

〔調査の目的・委嘱事項〕

(1) 2019年度から2023年度までの望月社長による接待交際費の経費精算につき、経費の内容及び経費精算の承認過程において不適切なものがなかったか

(2) 2017年度及び2018年度に発生した高額の長期売掛金が発生している特定の取引先について、当該各年度における収益認識の妥当性、与信判断の審査過程、売掛債権の保全及び回収に係る管理過程につき不適切なものがなかったか

(3) 上記(1)及び(2)に関して不適切な事実が発見された場合、これに関する類似案件の有無

(4) 上記(1)及び(2)に関連し、代表取締役である望月社長による接待交際費の精算申請との関連性の有無

(5) 上記の各事項につき問題が発見された場合にはその原因分析と再発防止策の提言

(6) その他、委員会が必要と認めた調査事項(報告書で委員会が更なる調査が必要と認めた事項を含む)

〔調査結果〕

 

【株式会社ラックランドの概要】

株式会社ラックランド(以下、「ラックランド」と略称する)は、1970年2月、業務用冷凍・冷蔵庫の販売、設備工事及びメンテナンス業務を目的として設立。「食」に関わる商業施設・店舗の設計及び商空間制作を主たる事業とする。国内連結子会社15社、海外連結子会社9社を有する。売上高41,106百万円、経常利益143百万円、資本金3,943百万円(訂正前の2022年12月期実績)。従業員数1,392名(2024年3月31日現在)。本店所在地は東京都新宿区。東京証券取引所プライム市場上場。会計監査人は、PwC京都監査法人東京事務所(現:PwC Japan有限責任監査法人)。

 

【特別調査委員会による調査報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

ラックランドは、2023年8月23日より東京国税局が実施していた2020年12月期から2022年12月期までを対象期間とした税務調査の過程において、2023年12月21日、東京国税局の指摘により、代表取締役社長望月圭一郎(以下、「望月社長」と略称する)が接待交際費等として精算申請を行った費用の一部について、科目処理の誤り等の不適切な会計処理の疑いが生じたため、管理本部による調査及び東京国税局との協議を進めていた。

2024年1月30日、より客観的な調査を行うため、監査等委員である取締役の中山礼子及び森幹晴による社内調査チームを組成し、不適切な会計処理が発生した経緯や原因、内部統制体制、2023年12月期及び過年度(2019年12月期から2022年12月期)の連結財務諸表等に与える影響等に関する調査を行った。

社内調査の結果、接待交際費等の一部について、望月社長が精算申請時に申告した情報に事実と異なる内容が含まれていたこと等が判明し、望月社長による精算申請を行った経緯等の事実関係及び2023年12月期及び過年度の連結財務諸表等に係る影響額の正確な把握が不可欠となる事態に至ったことから、本件事案に関する徹底した事実調査を実施するため、2月14日開催の取締役会において、当社から独立した中立かつ公正な外部専門家のみで構成される特別調査委員会を設置することを決議したものである。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第156回】

株式会社ラックランド

「特別調査委員会調査報告書(公表版)(2024年4月12日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ラックランド特別調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会の構成〕

【委員長】

森 幹晴(弁護士、東京国際法律事務所)

【委 員】

松本 はるか(弁護士、東京国際法律事務所)

坂本 亮(公認会計士・税理士、坂本亮公認会計士事務所)

【副委員長(3月7日付で新たに選任された委員)

竹内 朗(弁護士・公認不正検査士、プロアクト法律事務所)

笹本 憲一(公認会計士・税理士、公認会計士笹本憲一事務所)

【調査補助者】

東京国際法律事務所所属の弁護士12名

プロアクト法律事務所所属の弁護士6名

早川・村木経営法律事務所所属の弁護士5名

その他公認会計士42名

フォレンジック調査補助者:株式会社foxcale

〔調査期間〕

2024年2月14日から4月12日まで

〔調査の目的・委嘱事項〕

(1) 2019年度から2023年度までの望月社長による接待交際費の経費精算につき、経費の内容及び経費精算の承認過程において不適切なものがなかったか

(2) 2017年度及び2018年度に発生した高額の長期売掛金が発生している特定の取引先について、当該各年度における収益認識の妥当性、与信判断の審査過程、売掛債権の保全及び回収に係る管理過程につき不適切なものがなかったか

(3) 上記(1)及び(2)に関して不適切な事実が発見された場合、これに関する類似案件の有無

(4) 上記(1)及び(2)に関連し、代表取締役である望月社長による接待交際費の精算申請との関連性の有無

(5) 上記の各事項につき問題が発見された場合にはその原因分析と再発防止策の提言

(6) その他、委員会が必要と認めた調査事項(報告書で委員会が更なる調査が必要と認めた事項を含む)

〔調査結果〕

 

【株式会社ラックランドの概要】

株式会社ラックランド(以下、「ラックランド」と略称する)は、1970年2月、業務用冷凍・冷蔵庫の販売、設備工事及びメンテナンス業務を目的として設立。「食」に関わる商業施設・店舗の設計及び商空間制作を主たる事業とする。国内連結子会社15社、海外連結子会社9社を有する。売上高41,106百万円、経常利益143百万円、資本金3,943百万円(訂正前の2022年12月期実績)。従業員数1,392名(2024年3月31日現在)。本店所在地は東京都新宿区。東京証券取引所プライム市場上場。会計監査人は、PwC京都監査法人東京事務所(現:PwC Japan有限責任監査法人)。

 

【特別調査委員会による調査報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

ラックランドは、2023年8月23日より東京国税局が実施していた2020年12月期から2022年12月期までを対象期間とした税務調査の過程において、2023年12月21日、東京国税局の指摘により、代表取締役社長望月圭一郎(以下、「望月社長」と略称する)が接待交際費等として精算申請を行った費用の一部について、科目処理の誤り等の不適切な会計処理の疑いが生じたため、管理本部による調査及び東京国税局との協議を進めていた。

2024年1月30日、より客観的な調査を行うため、監査等委員である取締役の中山礼子及び森幹晴による社内調査チームを組成し、不適切な会計処理が発生した経緯や原因、内部統制体制、2023年12月期及び過年度(2019年12月期から2022年12月期)の連結財務諸表等に与える影響等に関する調査を行った。

社内調査の結果、接待交際費等の一部について、望月社長が精算申請時に申告した情報に事実と異なる内容が含まれていたこと等が判明し、望月社長による精算申請を行った経緯等の事実関係及び2023年12月期及び過年度の連結財務諸表等に係る影響額の正確な把握が不可欠となる事態に至ったことから、本件事案に関する徹底した事実調査を実施するため、2月14日開催の取締役会において、当社から独立した中立かつ公正な外部専門家のみで構成される特別調査委員会を設置することを決議したものである。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

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公認会計士 石王丸周夫 著

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弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

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