〔会計不正調査報告書を読む〕
【第77回】
株式会社アクトコール
「第三者委員会調査報告書(平成30年8月10日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2018(平成30)年7月9日
「過年度の有価証券報告書等の訂正の可能性に関するお知らせ」 - 同年7月10日
「第三者委員会の設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
佐藤 明夫(弁護士)
【委 員】
安田 博延(弁護士)
鳥羽 史郎(公認会計士)
〔調査期間〕
2018(平成30)年7月10日から8月10日まで
(追加調査)
2018(平成30)年8月16日から9月5日まで
〔調査の目的〕
① 当社の不動産総合ソリューション事業における不動産売買及び不動産フランチャイズ権利販売について、会計監査人から指摘を受けた取引に係る当社役職員等に対するヒアリング、資料に基づく事実関係の調査・解明
② 上記①の事実関係の調査結果に基づき、平成29年11月期における会計処理の訂正の要否、及び平成29年11月期の会計処理の訂正が必要となる場合、その範囲・影響額の確認
③ 当社役職員等に対するヒアリング及び資料の検討に基づく、不動産総合ソリューション事業における、上記①以外の不透明取引の有無に係る調査
④ 当社役職員等に対するヒアリング及び資料の検討に基づく、各不透明取引発生の原因究明、責任の所在の明確化及び再発防止策に関する提言
〔適時開示(調査結果)〕
- 2018(平成30)年8月10日
「第三者委員会からの調査報告書の受領およびその内容の開示時期に関するお知らせ」 - 同年8月13日
「第三者委員会による調査報告書の内容、今後の調査等の予定並びに過年度の業績訂正の範囲と影響に関するお知らせ」 - 同年8月15日
「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出および過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」 - 同年8月31日
「会計監査人の異動に関するお知らせ」 - 同年9月6日
「第三者委員会の追加報告書受領に関するお知らせ」
【株式会社アクトコールの概要】
株式会社アクトコール(以下「アクトコール」と略称する)は、2005(平成17)年1月設立。住生活関連総合アウトソーシング事業、決済ソリューション事業、不動産総合ソリューション事業などを主たる事業とする。連結売上高4,308百万円、連結経常利益312百万円、従業員数205名(数字は、いずれも2017年11月期)。本店所在地は東京都新宿区。東証マザーズ上場。
【調査報告書の概要】
1 調査に至る経緯
アクトコールは、平成30年11月期第2四半期にかかる会計監査の過程において、同社の会計監査人である、ひので監査法人から、アクトコールグループの不動産総合ソリューション事業における不動産売買及び不動産フランチャイズ権販売の2つの取引について、背後にアクトコールの代表取締役平井俊広氏(以下「平井社長」と略称する)又は平井社長の関連法人からの資金提供が存在することによる売上の実在性に疑義を生じさせる事実が発見され、かかる会計処理の前提となる事実の調査が必要であるとの指摘を受けた。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。