〔会計不正調査報告書を読む〕
【第183回】
ニデック株式会社
「第三者委員会調査報告書(公表版)(2026年2月27日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【ニデック株式会社第三者委員会による調査の概要】
【適時開示】
- 2025年9月3日「第三者委員会設置のお知らせ」
【第三者委員会の構成】
【委員長】
平尾 覚(弁護士 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)
【委 員】
井上寅喜(公認会計士 株式会社アカウンティング・アドバイザリー)
白井 真(弁護士 光和総合法律事務所)
【調査補助者】
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、光和総合法律事務所、八雲法律事務所、弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所及び株式会社アカウンティング・アドバイザリー所属の弁護士ら合計35名
株式会社アカウンティング・アドバイザリー及びEY新日本有限責任監査法人所属の公認会計士ら合計81名及びその他スタッフ合計77名
〔調査期間〕
2025年9月3日調査開始、現在も調査継続中
〔調査目的〕
(1) ニデックグループにおける資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの不適切な会計処理の疑義に係る事実関係の調査
(2) 不適切な会計処理が判明した場合、その影響額の算定
(3) 不適切な会計処理が判明した場合、その原因の究明及び再発防止策の提言
(4) その他、第三者委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2026年2月27日「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
- 2026年3月3日「第三者委員会の調査報告書の公表及び当社の対応に関するお知らせ」
【ニデック株式会社の概要】
ニデック株式会社(報告書上は「ニデック」、以下「ニデック」と略称する)は、創業者の永守重信氏(以下「永守氏」と略称する)が、日本電産株式会社を1973(昭和48)年7月に設立し、創業以来、M&Aを原動力の一つとして急速に事業領域を拡大している。ニデックグループは、ニデックに加え、合計354社の子会社及び関連会社で構成されており、2025年9月末日時点、小型モータ事業本部、車載事業本部、家電・車載事業統括本部、モーション&エナジー事業本部及び機械事業本部という5つの事業本部が設けられている。売上高2,607,813百万円、税引前当期利益233,309百万円、資本金87,784百万円、従業員数104,265人(いずれも2025年3月期連結実績)。本店所在地は京都市南区。東京証券取引所プライム市場に上場。会計監査人は、PwC Japan有限責任監査法人京都事務所(以下、「PwC Japan」と略称する)で、合併前のPwC京都監査法人(以下、「PwC京都」と略称する)が担当していた期間も含め、継続監査期間は40年である(2025年3月期有価証券報告書)。
〈事案の経緯〉
| 2025年6月27日 | 第52期有価証券報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出 イタリア子会社における貿易取引上の問題等の存在を公表 |
| 2025年9月3日 | 第三者委員会の設置を公表 |
| 2025年9月26日 | 2025年3月期有価証券報告書の提出 |
| 2025年10月27日 | 東京証券取引所による特別注意銘柄指定 |
| 2025年12月19日 | 代表取締役、取締役の辞任及び役職変更に関するお知らせ |
| 2026年1月28日 | 「改善計画・状況報告書」の公表に関するお知らせ |
| 2026年2月26日 | 名誉会長辞任に関するお知らせ |
【調査報告書の概要】
1 第三者委員会設置の経緯
2025年7月22日、ニデックの子会社であるニデックテクノモータ株式会社の内部監査部門から、ニデックの内部監査部門及び監査等委員会に対し、その中国子会社であるニデックテクノモータ(浙江)有限公司において、サプライヤーから受領した購買一時金に関して不適切な会計処理が行われた疑いがあるとの報告があったことを契機に、ニデックは、外部の法律事務所等の専門家を起用し、監査等委員会の監督の下、フォレンジック調査を含む調査を進めてきたが、その過程で、ニデックグループの様々な拠点において、資産性に疑義のある資産が滞留しており、ニデックの経営陣が、その処理の時期を恣意的に検討しているとも解釈し得る資料等が発見された。
このような状況を受け、ニデックは、監査等委員会が主導する調査ではなく、会社から独立した第三者による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日、取締役会において、第三者委員会を設置することを決定した。
なお、ニデックテクノモータ(浙江)有限公司における、購買一時金に関する不適切な会計処理に関する疑義は、同社に新たに着任した日本人総経理が、不適切な会計処理が行われた可能性があることを把握して、ニデックテクノモータ株式会社の内部監査部門に報告したことにより発覚したものである。
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